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ステロイドホルモン抵抗性癌細胞レセプターのクロマチン結合阻害・促進物質の消長

研究課題

研究課題/領域番号 60015048
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

坂本 幸哉  大阪大学, 医, 教授 (60028280)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワードAH130腹水癌細胞 / グルココルチコイド / レセプタ核結合阻害 / レセプタ核結合促進
研究概要

グルココルチコイド抵抗性AH130腹水癌細胞の細胞質画分より調整したMTI(Macromolecular Translocation Inhibitor)は、活性型グルココルチコイドレセプター複合体の核やクロマチンへの結合を阻害する物質であるが、ラット肝細胞MTIより約5倍強力であった。この癌細胞性MTIをさらにDEAE-セルロースカラムで分離すると、ラット肝細胞質MTI同様少なくとも三つのピークに分離でき、溶出順にMTI-【I】,-【II】,-【III】の画分を得た。癌細胞MTI-【II】,-【III】の含量は、ラット肝細胞質のものとほぼ同程度であったが、癌細胞MTI-【I】は異常に増大していた。副腎摘除ラット肝細胞質画分に見い出したATP存在下で活性型レセプター・グルココルチコイド複合体のクロマチンへの結合を促進する物質であるASTP(ATP-Stimulated Translocation Modulator)はグルココルチコイド抵抗性AH130腹水癌細胞で欠損していた。正常の早い増殖組織である再生肝を使用して、同様の実験を行うと部分肝摘除後24時間目、すなわちDNA合成期で著明なMTI活性の増大とASTP活性の低下が認められた。グルココルチコイドはDNA合成抑制、細胞増殖抑制、分化誘導能を持つステロイドである。従ってDNA合成や、細胞増殖の盛んな癌細胞や再生肝で、活性型レセプターのクロマチンへの結合を阻害するMTI活性の増大や、逆にレセプターのクロマチンへの結合を促進するASTP活性の減少は上記癌細胞や再生肝に於けるグルココルチコイド低感受性機作の一端を説明できるのではないかと考えている。一方、副腎摘除後2日目のラット肝細胞質でASTPは増大し、グルココルチコイド投与で著明に減少した。従ってASTPは単に試験管内の現象ではなく、生体においても十分作動している重要な物質であることが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Sakamoto and F.Isohashi: "Glucocorticoid Hormone-Mechanisms of Action" Japan Scientific Societies Press and Springer Verlag, (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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