研究概要 |
1. ヒトT細胞ハイブリドーマ、24ACA2、由来インデューサーリンホカイン(Ind・LK)の免疫学的及び遺伝子レベルでの解析: キラーT細胞誘導能を持ち、IL-2産生誘導能を持つInd・LK(M・W2万、pI6.4,5.5)はIL-2レセプターの発現をも増強した。さらにNorthern hybridization法によりInd-LKはT細胞内のIL-2及びIL-2レセプターm-RNAレベルでの発現を誘導することを明らかにした。 一方、ヒトMφ由来IL-1β及びIL-1α c-DNAをプローベとしてInd・LKをコードするpolyA・RNAとNorthern hybridizationを行なった結果、cross-hybridizationは認められなかった。このことよりInd-LKをコードする遺伝子はIL-1α,IL-1βc-DNAと異なることを明らかにした。 2. キラーT前駆細胞ハイブリドーマの確立: ヒトB腫瘍細胞株CESSで感作したT細胞を用いて細胞融合を行ない、CESSに特異的なヒト・キラーT細胞ハイブリドーマ55A52を確立した。このサブクローン55A52・2・70クローンはキラー活性を示さないが、MLC上清中のIL-2とは異なるリンホカインの刺激により、キラーT細胞へと分化するクローンであることを示した。 さらに、このクローンはヒトT細胞ハイブリドーマ55A由来キラーT細胞分化因子(KHF)の存在下でも同様に分化し、分化因子及びそのメカニズムの解析に有用であることが強く示唆された。 3. MAFの解析: MAF産生ヒトTハイブリドーマ47Aa,47Abを確立した。又ConAやPMAでMAFのsuperindnctionが認められた。 4. 生体内でのリンホカインによる抗腫瘍免疫機構の解析: Ind・LKをマウス腹腔内に投与することにより、アロ腫瘍細胞に対するキラーT細胞の誘導を増強した。 今後、Ind・LKの遺伝子クローニングならびに生体内投与による同系腫瘍に対する効果の解析を中心に研究を推めていきたい。
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