研究課題/領域番号 |
60015107
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
相沢 慎一 (財)東京都老人総合研究所, その他, 研究員 (60073011)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ミューテーター / 突然変異 / テラトカルシノーマ / キメラマウス / 胚性未分化細胞 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
動物細胞の自然突然変異率は【10^(-7)】〜【10^(-9)】のオーダーに保たれている。このことが個体形成にもつ意味を検討する目的で、自然突然変異率の高いマウス・Mutatorマウスの作成を検討した。 1. まずマウステラトカルシノーマ細胞を用いて既に単離、性格ずけしたMutator株についてその個体構成能を4日胚に注入し発生させることにより検討した。その結果親株に比しこの株を注入し発生したキメラ胚は異常胚となり易いことが明らかになった。このことは突然変異率の上昇が着床後の初期発生に致死的に働く可能性を示している。 2. 上記のMutator株はリボヌクレオチド環元酵素の変異によるヌクレオチドプールの不均衡によって自然突然変異率の上昇することが明らかとなっている。そこでウイルス由来のリボヌクレオチド環元酵素の遺伝子(rr)についてそのMutator活性を検討したところ、単純ヘルペスウイルスのrrがMutator遺伝子として働くことが明らかとなった。即ち、この遺伝子DNAをマウス胚性未分化細胞に導入したところ自然突然変異率の上昇が認められ、同時にヌクレオチドプールの不均衡化が観察された。また、このような性質はこの細胞に分化を誘導しても維持されることが明らかとなった。そこでこの遺伝子を有しMutatorである胚性未分化細胞を用いキメラマウスの作成を試みこれを奴頻度で認めることができた。Mutator胚性未分化細胞由来の子孫を得ることを検討中である。 3. Mutator活性を有することの判明した上記単純ヘルペスウイルスrr遺伝子を受精卵雄核に注入し発生させてトランスジェニックマウスを得ることを次に試み、これに成功した。得られたトランスジェニックマウスの子孫を得ることを現在行っており、導入rr遺伝子の発現を検討中である。
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