研究は、冷害・霜害予知のための気象衛星データによる気温推定と霜害予知のための霜害危険地図(ハザズマップ)の作成の2点について行なわれた。気温の推定については、ひまわり赤外データを用いて行なった。すなわち、北海道内のAMeDAS観測点の分類を試み、この分類にもとずいて、小地域ごとに4種類6方法で気温の推定を行なった。その結果、分類で類似度が著しく異なる観測点を除き、さらに付近の類似度が大きい観測点を加えて気温推定式を算出した場合が最も精度よく推定出来た。この方法によると、北海道の主な農業地帯を切り出して推定すると、平均で1.0±0.1Kの精度であった。またこの方法で地域別に気温の推定精度は 石狩・勇払地区が最も良く、精度の悪い地区は、根釧地区であった。さらに、AMeDASデータのみで地域を分類して、気温を推定すると上記より若干精度が悪くなった。 霜害予知のための霜害危険地図の作成は、国土数値情報データと気象衛星ノアを使用した。まず、国土数値情報データの標高データを利用して、霜害の危険性の高い盆地地形の検出を試みた、谷線稜線を種々の方法で検出し、盆地地形図を作成した。この盆地図の最高最低の標高差から霜害危険地の分類を試み、ノアの赤外データから推定した気温の対比を試みている。気温の推定については、研究はほぼ完成し実際の夜間の気温を石狩・勇払について試みた結果よく一致した。霜害危険地図については、ノアのデータとの対比を現在続行中である。
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