研究課題/領域番号 |
60020002
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若浜 五郎 北海道大学, 低温研, 教授 (90001643)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 集中豪雪 / 帯状雲 / 高速三次元ドプラーレーダー / 動的構造 / 収束帯状雲 / 石狩湾小低気圧 / 降雪粒子密度 / 風構造 |
研究概要 |
冬期、日本海から北海道石狩平野に上陸して大雪をもたらす帯状雲や、いわゆる石狩湾小低気圧に伴って発達し、豪雪をもたらす雪雲をモデルケースとし、昭和60年11月から同61年3月にかけ、降雪時は昼夜の別なく、降雪観測用高速三次元ドプラーレーダー、雪結晶ゾンデ等の手法を駆使して降雪観測を行い、雪雲の動的構造とその時間・空間変化を調べると共に、地上での精密な降雪観測と広域にわたる降雪量観測などにより降雪分布の地域特性を求めた。得られた結果の概略は次のようなものである。 1.上記帯状雲について得られたレーダー、衛星画像等の資料を解析した結果、(1)石狩湾から上陸してくる帯状雲には、強い季節風に伴って西ないし北西方向から次々に侵入しては降雪をもたらすものと、北海道西岸に沿って南下してくる収束帯状雲とがあること、(2)帯状雲には上陸してすぐ衰弱してしまうものと、上陸後も安定で、内陸部深くまで侵入して雪をもたらす雪雲とがある。(3)それらの気象條件を調べると、前者のばあいは高度1Km以下の低層部に上層とは風系の異なる安定層が存在し、従って風の鉛直シアーが強く、後者のばあいは下層から上層に至るまでほぼ一様な風の構造をもち、対流混合が発達したばあいであること、(4)積円半島、高島岬など、石狩湾沿岸の地形がきっかけとなって石狩湾上に帯状雲を発生させることがよくあること、また、縦型の帯状雲の進行の直角方向に伸びた横型の雪雲が、石狩湾沿岸の地形の影響を受けて発生し、降雪をもたらすことがある。(5)帯状雲の降雪粒子密度や風の三次元構造が詳細に求められ、また、その時間空間変動が求められ、雪雲の動的構造が明らかになった。また、地上での降雪強度の高分解能自記記録法などの平法を確立した。レーダー、ゾンデ、地上観測で得られた雄大なMT等の資料は目下整理、解析中である。
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