1 現地凍上調査結果 北海道(2地区) 東北、北陸の4地区で埋設導管周辺での地盤の凍結深さと凍上量の現地観測を実施した。これに先だって 8月上旬に研究分担者(青山清道-新潟大、飛田善雄-八戸工業大学、土谷富士夫-帯広畜産大、木下誠一-北大)が札幌で集合して、研究打合せ会を行なった。ここで、現地観測の手法や内容について検討し、同一の観測法を採用するものとした。従って、冬季間の観測は、一斉同時観測によるものである。主な観測項目は以下の通りである。【◯!1】土の凍結深さの経時変化 【◯!2】凍結前後の土の含水比変化 【◯!3】積雪深の経時変化 【◯!4】土の凍上量の経時変化 1985-86年冬季間の各地の最深凍結深さは次の通り、苫小牧-67cm、帯広-83.7cm、八戸(青森)-35cm、長野県山地-20cm 2 苫小牧と帯広での導管へ作用した凍着凍上力の観測結果 凍上性の著しいローム質土中に、直径5cmのガス管を埋設した。この凍着凍上を反力フレームでおさえこむことで、凍上力を実測した。その結果、最大で3000Kgfの力が作用した。またこの最大値は2月上旬に発生した。凍着凍上力の予測式として、P=Poa′exp(b't)・【(a√!t)^Z】となる実験式が得られた。a′b′aは各々係数でtは経過時間である。発生する力(P)は、土の凍結深さと凍上速度にかかわることが判明した。この式を用いて、実測と比較すると、ほぼ一致したことから式の有効性が検証されたと云える。 3 土の凍結深さの予測式の数値解析プログラムの開発 北海道と比べて、東北、北力では凍結指数を用いる従来の凍結深推定式 D=α【√!F】があまり適合しないことがわかった。そこで、日射量、風速、雲量といった気象要素と土の熱的性質を考慮した、非定常熱伝導方程式による数値解析のプログラムを開発した。各地でこれを適用したところ、よい一致が得られた。
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