研究課題/領域番号 |
60020015
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
歌田 実 東京大学, 理, 助教授 (50012406)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1985年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 1982年の台風10号18号 / 丹沢山地北部-御坂山地 / 斜面崩壊地カタログ / 道志川断層 / 斜面の地盤強度 |
研究概要 |
標記の課題にもとづく研究は、次の5点を中心に進められた。第1は、1982年の台風10号、18号に伴う丹沢山地北部-御坂山地に発生したおよそ数100ヶ所におよぶ斜面崩壊地カタログづくりを完成させたことである。これは、災害前後の空中写真を比較することによって災害地点をピックアップし、28項目にわたる情報を記入することによって作成された。これらの崩壊地は、東西南北2Km四方のグリッドを切った25000分の1地形図上にプロットされ、個別のコードを与えられている。第2に、このカタログにもとづいて、崩壊地の実地踏査がおこなわれた。この実地踏査は、空中写真判読によって行なわれた崩壊地のピックアップの精度チェック、地形情報の判定等のために行なわれた。その結果、谷底付近の急傾地をのぞけば、カタログにのせられた崩壊地情報は、統計的に十分な意義のあるデータを提供していることが明らかとなった。第3に、このカタログにもとづいて、崩壊地の分布特性が検討された。その結果、崩壊地の密集域がNEーSW方向の道志川断層の北西側に存在すること、その中でも、御正体山などカコウ岩地域に多いことが明らかとなった。これは崩壊が第1次的には地質構造に規制され、さらに表層の岩質に規制されていることによると思われる。第4に、さらに分布特性と地形・地質要素との関連を調べるために、コンピューターによる統計処理を開始した。この成果は、まだ得られていないが、有意義な結果が期待される。第5に、今後の崩壊予測をたてるために、この地域に分布する崖錐堆積物の形成時代をC14法によって決定した。また崖錐堆積物の地盤強度の調査が、本科研費によって購入されたスウェーデン式貫入試験器と既存の点載荷圧裂テストを組合せて、都留市夏狩と境地区の79地点でおこなわれた。この結果と前記カタログ記載事項の相関についての検討も今後の課題である。
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