研究分担者 |
鳥羽 武文 (株)地球科学総合研究所, 代表取締役
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027253)
嶋 悦三 東京大学, 地震研究所, 教授 (20012891)
斉藤 正徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (10011553)
岡田 広 北海道大学, 理学部, 教授 (40000799)
|
研究概要 |
1.バイブロサイス反射法による調査 (1)測線・調査方法 過去の地学的データを検討し、北海道苫小牧-鵡川地域に測線をとることにし、現地調査の結果、苫小牧-厚真の道道14.85kmを選定した。発振点間隔50m;発振点数200;スイープ数,1発振点当り15回;重合数48にした他は、60年度と同じ仕様でバイブロサイス反射法による調査を実施した。最表層に火山灰層,草炭層が存在することが知られているので、屈折法による表層調査も併行して実施した。 (2)調査実施時期 昭和61年11月2日〜16日 (3)結果 相互相関,共通反射点編集,初動ミュート,利得補正,デコンボリューション,速度解析,CDP重合などの処理を施して、Filtered Stack構造断面を得た。6つの反射面が認められ、全体的に向かって深くなっている。測線中央部では反射が弱い所があり、連続的でない反射面もあり、断層が存在する可能性もある。最も深い反射面は、60年度では部分的であり、反射時間も約3秒にすぎなかったが、今年度の結果では反射時間が約5秒で、測線全体に追跡できる。得られた各層の速度は、2.0,2.5,3.0,3.5,4.0,4.6km/sであり、最深の反射面は西端で約5km,東端で約9kmに達する。今後、Migration,表層補正などの処理を行ない、構造解析の精度をあげ深層ボーリング資料などとの対比を行なう必要がある。 他に、観測点10点,測線付近2個所で長周期微動調査を行ない、その解析から基盤構造を求め、反射法の結果、ボーリング資料との対比をした。 2.60年度長沼測線下で得られた地下構造については、測線周辺に存在する深層ボーリング資料などと対比し、古第3紀上部までの地層の対応を得ることができた。また、長周期微動測定から得られた基盤構造は、反射法による結果と調和的であった。
|