研究課題/領域番号 |
60020037
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柿沼 忠男 愛媛大学, 工, 教授 (70036408)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 四国地方 / 地下水 / 海水侵入 / 水需要量 / 水質変化 / 地盤沈下 / 島しょ部 / 淡塩水境界面 / 分散モデル / 護岸矢板 |
研究概要 |
わが国の数多くの臨海部においては各種産業や人口の集中化に伴って過剰揚水による地下水の塩水化災害が生じ、水利用上、大きな社会的問題となっている。四国においては、雨量や地形といった自然条件が北部と南部で異なるとともに、瀬戸内海における本州四国間のいわゆる南北問題によって増幅される北部と南部における産業構造の違いが地下水利用状況にかなりの差異をもたらしている。すなわち、北部においては塩田跡などに埋立てが進行しそこに進出した重化学工業による大規模な地下水利用が見られ、南部においては鮎・鰻養殖や二期作農業による地下水利用が見られる。本研究は四国における塩水化災害について、その歴史的変遷を調べ、予測法を開発して、制御工法を見出そうとしたものであって、その研究実績の概要はつぎのようである。 1.四国4県における地下水塩水化災害の史料を收集するとともに、流域や河道形態の変遷ならびに地震の影響などを参考資料として、各県における産業と地下水揚水量の関連を見出し塩水化災害とその防止技術の歴史的変遷を明らかにした。 2.鮎・鰻養殖を主産業とする徳島県那賀川河口および揚水量制御によって地下水確保をはかる愛媛県喜木川河口において三次元移流分散モデルによる数値シミュレーションを行って、両河口における分散長の値を求め、塩水化災害の予測精度の向上に努めた。 3.柑橘類を主産業とする愛媛県興居島において塩化物イオン濃度、電気伝導率の鉛直分布測定と地下水位測量を実施するとともに、岸・井内モデル(1984)を改良した新しい淡塩水境界面モデルを開発して潮汐変動に伴う塩水化災害の実態を把握した。 4.砂層モデル実験を行い、護岸矢板の打設開口幅と揚水量との関係から塩分侵入制御効果とその定量評価法を明らかにした。 5.以上の諸成果より、四国における海岸地下水の塩水化災害とその予測・制御に関する総合的知見を得た。
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