研究課題/領域番号 |
60025021
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
岩橋 徹 静岡大学, 教, 教授 (60021870)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 大島近海地震災害 / 空中写真解析 / 粉体流災害 / 河津群発地すべり / 地すべり群の統計 / 粉体流の到達距離 / 地すべり面 / 滑落面の鉱物組成 / 粉体流の発生機構 / ハザードマップ |
研究概要 |
岩橋は購入備品ミラーステレオスコープを用い、河津町及び被災対象の多い伊東市両域の空中写真からリニアメントを抽出、次にこれらが活断層・破砕帯に属するか否かを野外調査で確かめた。またこれらと現地の岩石・地層中の破断とに相関があることを明らかにした。次に河津町各地すべり地において、傾斜角・斜面長・幅等の骨組となる測量を実施し、続いて購入のミラーステレオスコープで更に詳細な地形の図化・描出を行った。以上の結果から地すべり斜面の比高、傾斜角、斜面長と粉体流の到達距離の関係、M=7.0級地震で発生する粉体流災害の及ぼす統計上の範囲を明らかにした(1960年11月14日、中部地区自然災害科学シンポジウムに於て研究発表を行った)。 岩橋はその後の現地調査で風化スコリアと未風化スコリアとでは地震に対する応答に相違があり、この両者の境界面をすべり面とする地すべりが発生するという新事実を発見した。 木宮は河津町"粉体流"と類似点の多い長野県御岳山大崩壊"粉体流"の堆積物の調査研究から河津"粉体流"の発生機構や堆積物の研究を行った。 狩野は東伊豆町に発生した地震断層等を調査し、地盤の構造からみた地すべりの発生危険度の評価について研究中である。 大塚は御岳山崩壊地の地すべり面付近のサンプルを採取、その鉱物組成、変質程度等につき分析中。また河津町域の地すべり群の現地調査を行い、新しく基盤岩および風化した崖錐様堆積物と、その上に堆積したスコリアとの間にすべり面を生じ、粉体流が発生した所があることを発見した。 以上河津町と御岳山両粉体流の間に共通点が多いことが判明した。現在被覆物の風化・変質・基盤の構造・堆積物の地震に対する応答等につき総合的に検討中であり、伊東地区の粉体流発生危険地図(HazardMap)の作成作業を進め、関係学会に発表の予定である。
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