研究課題/領域番号 |
60025023
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山元 龍三郎 京都大学, 理, 教授 (50025235)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 異常天候 / 異常気象 / 気候ノイズ / 気候シグナル / 気候ジャンプ / 予測可能性 |
研究概要 |
北日本の冷夏など1か月以上継続する異常天候が数か月前にでも予測出来れば、被害が軽減できる。日々の天気予報に用いられている数値モデルの時間積分法では、予測可能性の限界は約10日である。また、現在の長期・季節予報で用いられている類似法・周期法等では信頼のおける予測が出来ない。 日々の天気の不規則性のために、その時間平均値である気候値には気候ノイズと呼ばれる曖昧さが介在する。一方、太陽活動・火山爆発海面水温など大気を取り巻く外的・境界条件の変動に伴って、異常気候が発現している。外的および境界条件の変動は一般に、大気の日々の変化に比べると緩やかで、また大気の変動に先行するので、外的・境界条件の変動による大気変動を確認する事が出来れば、異常気候予測が可能となる。 このような方針で異常気候変動予測を行う場合、予測不可能の範囲である気候ノイズの算定が重要である。この気候ノイズの算定を周波数領域で米国の研究者が試み、冬の地上気温のノイズが1度以上になる事を報告したが、その算定方には検討を要する仮定を含んでいる。当研究担当者は時間領域で、信頼のおける気候ノイズの算定に成功し地上気温のノイズは上記の値の数分の1である事を示した。 今まで、気候は連続的に変化するとの前提で研究が行なわれて来た。それに対して、気候変動に関する若干の理論で注目されている多重解の存在に関連して、当研究担当者は、10年以上の長期にわたる時間平均値が唐突に変化する可能性に着目した。そして、地上気温・海面気圧・降水量・日照時間・最大積雪量などの気候データにおいて、そのような時間平均値の唐突な変化を確認する事に成功した。これを 当研究者は気候ジャンプと命名した。気候ジャンプの発現は、異常気候予測に対して、新しい問題を提起するものである。
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