研究課題/領域番号 |
60025028
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芦田 和男 京都大学, 防災研, 教授 (30027205)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 斜面崩壊 / 崩壊の支配因子 / 崩壊の発生機構 / 崩壊土量 / 土塊の運動 / 土塊の流動化 / 崩壊・土石流 / 危検範囲 |
研究概要 |
本研究は豪雨性表層崩壊の発生とその流出範囲の予測法を確立することを目的としたものであって、研究内容は、実態の調査解析、崩壊の発生機構と発生降雨条件および崩土の流出形態と流出機構の三つの分担課題からなっている。これまでに得られた知見を各課題毎に示せば以下のようである。 (1)実態の調査解析:調査対象として、昭和49、51年小豆島災害、57年長崎災害、同年大阪南河内災害および58年島根災害をとり上げ、崩壊密度と降雨条件との関係、崩壊頻度と地形因子との関連性について検討している。その結果、雨量強度と連続雨量の平面上における崩壊個数密度には、明暸な地域性がみられることが判明した。また、降雨条件および地質条件が同一とみなせる区域においては、斜面の傾斜角、形状および流域面積が崩壊の支配要因となっており、とくに、凹形の斜面における崩壊の発生頻度が高いことが判明している。 (2)崩壊の発生機構と発生降雨条件:崩壊因子として、斜面勾配、土層厚、土質力学定数、集水面積、降雨特性値を考えて対象地域のメッシュデータの作成法を考察した。ついで、これらのデータをもとに無限長斜面の安定解析を行い、崩壊の発生降雨条件の設定法や崩壊土量の推定法に関する知見を得ている。 (3)崩土の流出形態と流出機構:斜面崩壊によって移動開始した土塊は流動化して土石流を形成する場合と塑性的な構造を維持したまま移動する場合とがある。これらの流出形態の判別条件を明らかにした。ついで、土塊が土石流を形成する場合に着目し、その運動に対する侵食・堆積の影響を考慮した運動方程式系を考案し、これをもとに、土塊の移動開始から停止に至る過程の評価法を提案している。さらに、崩土の流出範囲と堆積形状の予測法を提案している。
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