研究課題/領域番号 |
60025029
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土岐 憲三 京都大学, 防災研, 教授 (10027229)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 3次元有限要素法 / 地震断層 / 破壊過程 / バリア / くい違い量 / 加速度応答スペクトル |
研究概要 |
ジョイント要素を用いた3次元有限要素法により断層運動のシミュレーションを行い、地震断層の破壊過程を明らかにした。まず、いくつかの簡単なモデルを章定して破壊伝播や発生地震波等を検討したのち、サンフェルナンド地震をモデルにした詳細な解析を行い、2次元解析ならびに実地震記録との比較を行なった。本研究で得られた結果を以下に示す。 (1)降伏応力と初期応力の差の急変部が見かけ上のバリアになることが明らかとなった。 (2)破壊伝播速度は断層のすべり方向に破壊が伝播する場合はP波速度が上限であり、断層のすべり方向に直角に破壊が伝播する場合はS波速度が上限であることがわかった。 (3)くいちがい量の発達過程は、局所的つり合い状態に達するまでの第1段階と全体的つり合い状態に達するまでの第2段階の2つの段階に分けることができ、第1段階はHaskellモデル、第2段階はBruneモデルに相当することがわかった。 (4)3次元解析の結果と2次元解析の結果を比較することにより、くいちがい量の分布や発達過程については両者とも良い対応を示したが、破壊伝播に関しては両者は相当異なる結果を示すことが明らかとなった。また地震波形に関しては、加速度・速度・変位ともおおむね良い対応を示したが、2次元解析の方が若干大きめの波形となった。 (7)サンフェルナンド地震のPACとJPLの実地震記録と本解析による波形を比較したところ変位と速度については良い対応を示し、正規化加速度応答スペクトルではPACでは周期1秒以上、JPLでは周期0.5秒以上の長周期で良く一致した。これは本手法が断層運動の解析に非常に有効な手段であることを示すものであると思われる。
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