研究課題/領域番号 |
60025047
|
研究種目 |
自然災害特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大草 重康 東海大学, 海洋, 教授 (30055909)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 地震 / 津波 / 沿岸構造物 / 海底たい積物 / 海底地形 / 振動 / 圧縮指数 / サンプリング |
研究概要 |
駿河湾沿岸域、伊豆半島東海岸、遠州灘海岸は、過去の遠州灘沖で発生した地震によって大きな津波被害を受けた。近い将来に予想される東海地震にともなう津波の高さを、上記の各地域において推算した地震の規模および震源地は、1854年の安政大地震(M=8.4)と同じものと仮定し、都司喜宣(1979)および羽鳥徳太郎(1977)による安政大地震の津波そ上高さを基礎とした。今回の新しい手法は、1集落について一つの最大津波高さを求めるのではなく、集落の細かな地形により津波そ上高さが増幅や減衰を受けることを明らかにしたことである伊豆半島から遠州灘にかけて25集落(都市を含む)において、最高津波そ上高さをかなり正確に推定することができた。結果は従来考えられていた最高値よりもさらに高い津波を考慮しなければならないことを示した。最大値は南伊豆南端、南伊豆町人間の16.5mであった。 このような局所的な津波の増幅は、海岸線前面の海底地形および後背地の地形に依存している。とくに海岸線前面に発達する谷地形は、津波だけでなく海岸部の構造物の安定性に対しても大きな影響を与える。本研究においては、蒲原海岸沖水深20m付近、および安部川沖水深50m付近から発達する谷地形に注目し、その成因を柱状採泥およびドレッジ試料、3.5kHz音波探査によって検討した。その結果このような地形は、海底地すべりによって形成されたものであろうと推察された。 沿岸部の海洋構造物は、海底堆積物あるいはかつての海底堆積物の上に作られる。これらの堆積物は、海底表層付近数cmの低密度層とそれ以深の層とに分けられ、圧縮過程は異なるが、圧縮の表現形式は、同じであることを明らかにした。焼津沖の観測塔における観測によれば、沿岸構造物が地震動から受ける影響は、地盤の高さが増すほど小さくなるが、杭等の末端付近における振動は、構造物の固有振動に支配される。
|