研究課題/領域番号 |
60030002
|
研究種目 |
環境科学特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 伍良 北海道大学, 応電研, 教授 (20001670)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1985年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
キーワード | 電界 / 磁界 / 振動 / 放射線 / イオン流 / 生体影響 |
研究概要 |
人工の物理的環境の生体影響評価のため、電場、磁場、放射線、機械的振動およびイオン流に関し、初年度の解析および予備実験の成果をふまえ、以上のような研究の進展が見られた。 1.送電線下電界の実験的解析:縮尺10分の1のモデル送電線を作製し、地表面の人体モデルに誘導される電流の測定を行った。また、人体および樹木による相互しゃへい効果についても実験的解析を行った。 2.体表電界計測法の開発:生体表面における低周波(特に商用周波数)電界を実測する方法の開発をめざし、基礎的検討、それに基づく新手法の考案、それらの実用性の確認を行った。センサを人体表面に押しつけること、また薄い柔軟なセンサを用いることにより、精度ならびに空間分解能ともに良好な計測が可能となった。 3.電界の刺激効果:ネコを高電界に暴露した際、心拍数に現れる影響を調べるため、心臓支配自律神経繊維からの活動電位の記録を試みた。毛根受容器からの皮膚内臓反射が疑われるが、確認までには至らなかった。 4.イオン流の効果:境界要素法に基づく数値計算ならびに実測により、イオン流によって人体へ流入する電流量の評価を行った。その結果、人体の姿勢や絶縁性の違いによる電流量の変化などが明らかになった。 5.磁場の生体影響:常磁性体である静脈血の流れと磁場との相互作用の存在を明らかにした。また、生体内化学反応に対する磁場の影響を、高感度に検出する方法の可能性を見出した。 6.磁場と放射線の効果:哺乳動物細胞の増殖および細胞間相互作用に対する磁場等の影響につき、実験的検討を加えた。現在までのところ、統計的有意差をもって磁場の影響を示唆する結果は得られていない。 7.機械的振動の効果:血液の線溶活性に及ぼす影響につき、実験的検討を加えた。その結果、動脈硬化を生理機能面からスクリーニングするための試験方法の可能性が得られた。
|