研究課題/領域番号 |
60030038
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
佐々 学 富山医科薬科大学, 国立大(その他), その他 (90090480)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ユスリカ / CHIRONOMIDAE / アレルギー / 気管支ぜん息 / 水質汚濁 / 水生生物 |
研究概要 |
1.日本産ユスリカ類の分類、分布の研究:我々はすでに東京都の多摩川、広島県の太田川などの河川と、日光、南九州、富士山麓などの湖沼について、これらに生息するユスリカ科Chironomidaeの分布と、水質汚濁との関係について調査をすすめてきたが、今年度はさらに北海道の山岳地の湖沼と、びわ湖についてこれに発生する種類の調査をすすめ、前者から28種(うち17は日本未記録)後者から44種(うち3種は日本未記録)を確認記載した。また徳島の水田地帯に発生するユスリカ類についてライトトラップによる周年採集の成績をまとめ、40種(うち5は日本未記録)の存在とその季節消長をまとめた。これらにより現在の日本から300種をこえるユスリカ類の発生を確かめ、それらの地理的分布、発生環境の特性、とくに水質汚濁との関連について多くの新しい知見を加えた。 2.ユスリカ類のアレルゲン性の研究:我々は先に水田から多く発生するPolypedilum Kyotoenseと、湖沼から大量に発生するTokunagayusurika,akamusiの両種について、富山および東京在住の気管支喘息患者についてその発作誘発の原因の一部として重要な役割をしていることを確かめたが、その後、全世界の湖沼にひろく発生しているChironomus plumosusと、水田や池沼から多数発生するTanyt- arsus oyamaiの両種が強いアレルゲン性を示すことを確かめ、それらより抽出した抗原の性質や、これに起因するぜん息患者の頻度、分布などについても研究をすすめておりユスリカ類が人のアレルギー疾患の原因として重要な意義をもつことについてさらに多くの新知見を加えることができた。 3、その他:富山地方に分布するユスリカ類の研究、および主要ユスリカ類各種の実験室内飼育の研究をすすめ、新知見を加えた。
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