研究課題/領域番号 |
60030042
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
沖野 外輝夫 信州大学, 理, 助教授 (50020681)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1985年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | 閉鎖性水域 / 湖沼生態系 / 物質循環 / 環境保全 / 自浄作用 / 水質汚染 / 湖沼 / 河川 / 沿岸帯 / 水生植物 |
研究概要 |
本研究は次ぎの三つの班に分かれて行なわれた。(1)湖沼班、(2)河川班、(3)水の流動・拡散過程班。本年度は、現場において基礎的な数値を得ることを主体とし、さらに既存の資料の収集・整理に努めた。得られた成果の概要を以下に記す。 湖沼沿岸域に生育する水生植物体への付着藻類量についてはクロロフィル量にして、基質単位面積当たり30mg/【m^2】〜542mg/【m^2】と、極めて幅広いデータが報告されている。本研究で実測を行った諏訪湖、琵琶湖、霞ヶ浦からの結果も同様な値を示し、沿岸域における生物量の季節的、空間的不均一性を示している。諏訪湖沿岸域のヨシに付着する藻類をほぼ10日間隔で採集し、季節的な変動を追跡した結果、その最大値は550mg/【m^2】(4月)となり、夏期には1mg/【m^2】以下にまで激減、その後冬期に向けて再び増加する傾向が認められた。動物プランクトンは沖合に比較して、現存量、種類数共に沿岸域の方が多く、付着性生物の影響が強く認められた。付着生物の現存量を支配する生物群集として巻貝類の重要性が示されている。その他沿岸域の生産力、分解量、流れの強さ・方向など、湖沼の浄化容量算定に必要な基礎的数値を実測し、生態系モデルの組立の準備を行った。 河川については南浅川、野川を対象河川として二点間の有機物収支法とショ糖投入実験法により自浄能力の推定と評価を行い、見掛けの自浄作用と真の自浄作用(微生物による分解)とを区別することを試みた。さらに、閉鎖性水域に流入する小河川の挙動を記述する数理モデルの作成を行い、発生源が与えられた時に、閉鎖性水域に対する汚濁負荷を推定が可能になるように努めた。このモデルは底質の消長についても定量的に把握でき、雨天時の流出についても適用可能なものとしたい。雨水流出についてはメッシュ法の適用を検討し、湖沼水質への影響については実測を行い、データの解析を行っている。
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