研究課題/領域番号 |
60030053
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
酒沢 千嘉弘 鳥取大学, 工, 教授 (50032008)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ポリビニルアルコール / ポリエチレングリコール / 合成高分子 / 微生物分解 / 共生細菌系 / ピロロキノリンキノン / 連続培養 |
研究概要 |
汎用性の高分子物質であるポリビニルアルコール(PVA)やポリエチレングリコール(PEG)の分解資化はそれぞれ2種の細菌の存在が必須な共生的混合培養によって起こる。一般に、複数種の微生物が本来備えている形質を捕填し合うことによって生ずる新しい分解力は自然界で安定に保持される可能性が高い。また、これらの共生細菌系を人為的なコントロール下に培養すれば排水処理にも適用できる。本研究では、PVA分解細菌の自然界での分布調査、共生細菌系を用いたPVA含有排水処理の効率化、およびPEG資化性細菌系の共生機構の解明を行った。 1.PVA分解細菌の自然界における分布と、PVA含有排水の集約的処理法の開発: PVA資化性共生細菌系はピロロキノリンキノン (PQQ)の授受によって成立する。そこで、PQQ存在下にPVA資化性細菌の分離を行い、土壌1000点中12株の細菌を得た。これらは全てPQQ関与のPVAデヒドロゲナーゼを有していた。PVA含有廃水の処理をモデル化して連続培養を行ったところ、PVA分解細菌の増殖の律速因子はPQQの生産速度であった。この生産速度を高かめるために、PQQ生産菌の増殖基質となる炭素源とPQQ生産との関係を検討し、エタノールに高い効果が認められた。諸条件を検討し、エタノールを0.01%濃度で培地に添加することによって、高い希釈率(0.064【h^(-1)】)でもPVAを完全に分解することができた。 2.PEG資化性共生細菌系の細菌間相互作用: Flavobacteriumsp.とPseudomonas sp.との相互作用を調べるために、両菌のPEG分解と【C_2】化合物代謝に関与する酵素活性を詳細に検討し、Pseudomonas sp.がPEG分解の際に生ずる有毒な【C_2】化合物、グリオキシル酸を分解資化して系内から除去することを明らかにした。設備備品として購入した超低温フリーザーは、細菌の酵素を安定に保存するために使用した。
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