研究課題/領域番号 |
60030069
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石渡 良志 東京都立大学, 理, 助教授 (90087106)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1985年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 沿岸海域 / 東京湾 / 堆積物 / 有機物 / 多環芳香族炭化水素 / アルキルベンゼン / アルキルベンゼンスルホン酸塩 / 重金属 / 炭素同位体 / 河口域 |
研究概要 |
本年度は、東京湾堆積物および懸濁物の採取を2回行い、また江戸川堆積物の採取を1回行った。これらの試料、およびすでに採取した堆積物試料について以下の研究成果を得た。 1 リグニン、セルロース、δ【^(13)C】値は、都内河川において陸起源物質の特徴から海起源物質の特徴への転換が急速に起こっていることが分かった。転換が起こる距離は、荒川では10Km、隅田川5Km、多摩川数100mであった。 2 河口域における沖に向かっての化学物質濃度の減少率は:多環芳香族炭化水素(PAH)<リグニン、セルロース、全陸起源有機物(δ【^(13)C】値)<直鎖型アルキルベンゼン(LAB)<直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)の順序で大きくなった。この事実は、物質の化学的性質や河川への負荷形態の違いが河口での挙動の違いとなって現れることを示唆している。 3 河川による陸起源有機物の挙動の違いの理由を明らかにするために、上記3河川の堆積物試料を粒度と比重によって分別して有機分析を行った。その結果、隅田川と荒川試料では類似していたが、多摩川試料では若干異なることが分かった。 4 多摩川調布堰において定期的に懸濁物と水試料を採取し、有機分析した。その結果に基ずいて年間輸送量を、PAH0.18トン、LAB0.33トン、LAS110トンと見積った。これらは、集水域内での推定発生量に対して、LAB14%、LAS6%と見積られた。これら化学物質の輸送量はLAS、LABでは河川流量に対してほぼ直線的に、PAHでは2乗に比例して増加することが分かった。 5 上記環境試料については、有機分析以外に、重金属、珪素、リンについて分析した。その結果、これら化学物質の間に明瞭かつ複雑な相互関係があることが分かった。
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