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アスベスト等粉塵の低濃度曝露による人体影響に関する分析電顕的・疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60030080
研究種目

環境科学特別研究

配分区分補助金
研究機関関西医科大学

研究代表者

原 一郎  関西医科大学, 医, 教授 (10148497)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードアスベスト / 分析電子顕微鏡 / 肺がん / 中皮腫 / 胸膜プラーク
研究概要

アスベストの低濃度曝露でも発生することが示唆されている中皮腫17例及びその他の疾患6例について、分析電子顕微鏡を用いて肺内アスベストの種類の同定及び半定量を行った。試料はいずれも剖検例で健常側肺の下葉横隔膜面中央の隣接部分より1cm立方大の肺組織を採取し、これより20μm厚の切片を作成し、低温灰化処理後アスベストを含む残渣を電顕メッシュに移し、電顕試料とした。アスベストの半定料のグレードは(-)〜(【+++】)の4段階とした。
中皮腫17例のうち16例にアスベストが検出された。うち3例は石綿工場勤務歴があり、いずれもアモサイトが(【++】)以上検出された。造船業に従事したことのある3例も同様アモサイトが(【++】)以上検出された。残る10例のうち5例に角閃石系(アモサイト,クロシドライト,アクチノライト等)のアスベストが検出され、これらはすべて職業歴を再検討すると職場でなんらかのアスベストの接触の機会がありうることが推定された。他方蛇紋石系のクリソタイルのみが同定された症例は5例で、うち1例は長い繊維が(【+++】)検出され、職業歴からアスベストの職業性曝露が考えられた。残る4例はいずれも短い繊維が同定され、うち1例は30才頃より石綿工場の近隣に9年間の居住歴があった。
中皮腫以外の6例のうち1例から角閃石系のアクチノライトが(【++】)検出された。職歴にタルクの曝露歴があり、アクチノライトがタルクの不純物として混入していた可能性が非常に強い。残る5例にはいずれも今回の方法ではアスベストは検出されなかった。
以上の成績から角閃石系のアスベスト、或いは長繊維の蛇紋石系のクリソタイルが(【++】)以上検出された場合は職業性曝露が考えられる。短い繊維のクリソタイルが(+)〜(【++】)検出された場合は近隣曝露などの環00露の可能性が示唆される。開発されたこのアスベスト種の同定及び半定量法はスクリーニングとして有用と思われる。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 神山宣彦,森永謙二,土岐純子,安井一清,原一郎,三浦武夫,横山邦彦,瀬良好澄: 第59回日本産業衛生学会講演集. .129 (1986)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] 神山宣彦: 第27回じん肺研究会報告集. .3-11 (1986)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] 瀬良好澄,森永謙二: "総合衛生公衆衛生学 改訂第2版下巻" 南山堂, .996-1000 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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