研究概要 |
[農地] 滋賀県下で水田の立地条件の異なる2地域について、流出河川の水質・水位の定期観測(1-2回/週)及び降雨時の調査を行なった。N,P,CODの流出原単位としてそれぞれ22.6-52.4,8.06-7.83,356-138kg/ha/yと試算された。降雨流出時の両流域の特徴は明かではなかった[山林] 筑波山森林試験流域(67.5ha)では、NO3-Nは冬期に低く、夏期 に高まる傾向があった。降雨後、NO3-N,K,Mg,Caは降雨前より高くなり、SiO2Na,Cl,ECはほぼ降雨前の濃度に回復した。水量増加時の濃度減少は表面流出水による希釈効果と考えられた。滋賀県下の山林流出水のN,Pの平均濃度は、それぞれ0.21,0.019mg/lであった。流出量は両成分とも降水による供給量より少なかった。 [降水] 国立公害研究所に於ける測定の結果から、1977-1985年にかけてDINは7.50-12.8kg/ha/yの範囲で変動し、上昇傾向が認められた。TPの変動範囲は0.23-0.45kg/ha/yで、1980年以降、減少傾向を示した。滋賀県下の山林で測定した降水中のN,Pの平均濃度は、それぞれ0.45,0.022mg/lであった。 [地下水] 野洲川(滋賀県)下流域で地下水流動量をDarcy法則と連続式を組み合わせた基礎式から、有限要素法および境界要素法によって推定した。潅がい期(地下水流動量4.6,揚水2.9m3/s)は1.06m3/sが琵琶湖へ流入した。非潅がい期は0.22m3/sが流入した。 [流出モデル] 降雨流出時のNO3-Nの総累加流出負荷量はΣL=b・(ΣQ)から推定することができた。三田川をモデル流域として、メッシュ法を用いて汚濁負荷流出率を解析した。宇部市真締川に於いて約800m区間に自動流量計とウォーターサンプラーを設置し、流下量と易掃流堆積物量を測定した。これらのデータを用いて掃流モデルを作成し、水質と堆積量の変動をシミュレートした。
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