研究概要 |
1.目的 環境画像情報を時間の経過に伴う動態として解析するため、複数の環境画像からの変化分の抽出法とその解析法の開発を行うとともに、これらの画像処理,解析,結果の表示を総合した高度の動態解析システムをまとめあげる。 2.経過 前年度の動画像からの動態解析のための基礎研究の成果をふまえ、実際の環境画像の動態解析への応用を試み、そこでの問題点を検討した。また、製作中の動態画像解析システムの整備を行い、カラー画像表示装置を接続するとともに、画像処理ソフトウェアの充実、一部の画像演算を高速で実行するための高速画像処理装置の設計を行った。 3.成果 (1)一部を覆われた画像間の位置合わせ法の開発:環境画像の系列からその動態を解析するには、撮影条件、日時の異なる複数の画像上の対応点を正確に決定しなくてはならない。実際の環境画像においては、一方の画像の一部が欠落していたり、雲,雪,植生等で画像が覆われている場合が多くある。そこで、このような場合の画像の一致度の評価関数の歪みの解析を行い、その補正および位置合せの手法を新しく開発した。(2)高速画像処理装置の設計:本研究での動画像処理には膨大な計算時間を必要とする。そこで、画像処理を高速化する装置の設計を行った。まず、各種の画像処理を様々な方式で実行する場合の計算時間、その計算内容と計算時間に占める割合いを詳細に検討、評価した。この基礎データをもとに、高速処理装置の基本部分の設計を行った。(3)動画像計測の医用画像への応用:本研究応用の一例として、X線造影画像を対象に、生体組織の機能を評価する試みを行った。造影物質の流入流出を動画像計測から求め、画像表示することで、異常部位をパターンとしてとらえ、定量的に評価することができた。
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