研究課題/領域番号 |
60035013
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮 義璋 東京大学, 医, 講師 (50010046)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 神経毒性 / 環境汚染物質 / 軸索内輸送 / コルヒチン / β,β′-イミノジプロピオニトリル(IDPN) / アクリルアミド / ニューロフィラメント / チューブリン |
研究概要 |
神経系に毒性を有する各種薬物をその主な作用部位により3つのグループに分け、その各々の代表的な薬物につきモデル系を作成してその作用機構をin vivoで解析した。 1. コルヒチンの神経毒性 コルヒチン4μgをラット【L_4】神経節に注入した直後に、【^(35)S】-メチオニンで標識し、その1週間後に遅い軸索内輸送の変化を調べた。対照に比べて微小管構成蛋白であるチューブリンの輸送のみが選択的に阻害される。組織学的には無髓神経の殆んど全てと、一部の有髓神経に変性がみられるが、神経細胞体には変性はみられない。コルヒチンの阻害効果は2日後ではまだ明らかであるが、4日後には回復する。 2. β,β′-イミノジプロピオニトリル(IDPN)の神経毒性 IDPN1.5g/kgを腹腔内注射直後に、【^(35)S】-メチオニンで脊髓前角部を標識し、5週後に遅い軸索内輸送を解析した。対照に比べてニューロフィラメント構成蛋白の輸送のみが著るしく阻害され、チューブリンやアクチンには影響がみられなかった。阻害は輸送の完全な停止ではなく、速度が対照の約1/2に遅くなるため、ニューロフィラメントは軸索起始部に蓄積すると共に、徐々にではあるが遠位側に移動する。 3. アクリルアミドの神経毒性 200ppmのアクリルアミドを飲料水に混じてラットに投与し、最初の症状が発現する3週目と症状の固定する13週目に、【^35S】-メチオニンで【L_5】神経節を標識し、遅い軸索内輸送の変化を見た。アクリルアミド投与13週後では、ニューロフィラメント、チューブリン及びアクチン共対照に比べて加速されていた。この傾向は投与3週後でも認められるが、その程度ははるかに弱いことから、この変化はアクリルアミドによる直接作用ではなくて、軸索が変性した後再生をおこした結果であろうと考えられる。
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