研究課題/領域番号 |
60035015
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 準子 東京大学, 工, 助手 (10010836)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 農薬 / 除草剤 / CNP / 水系汚染 / 半滅期 / 閉鎖系水域 / 底泥 |
研究概要 |
農薬の環境への影響を定量的に評価するために、水田除草剤CNPをモデルにして、その流出と蓄積を調査した。定量的な解析をするために、閉鎖系水域が適当と考え、フィールドとして霞ヶ浦とその流域を選んだ。CNPの原体はニトロ体であるが、環境・生体中では化学・生物反応を受けていくつかの形に変化することが知られているので、ニトロ体、遊離アミノ体、NIPの他に全-CNPを測定した。全-CNPは、試料を【Na_2】S-NaOHで反応させた時、アミノ体CNPとして回収できる誘導体の総量を指す。 霞ヶ浦へ流入する河川水中のCNP濃度を追跡した。田植期の5-6月は非常に高かった(50〜200ppt)が、田植終了と共に激滅した。 河川底泥及び湖底泥中にもCNPが検出された。湖の底泥をコアサンプラで採取し2cm毎に層にして分け、全CNPの分析を行ったところ、10年以上も前に堆積したと推定される深さの底泥からも検出された。これを基に、いくつかの仮定をおいて計算すると、CNPの湖での半滅期が算出され、3年となった。 今回の実験結果を総合すると、湖心における底質の堆積速度は湿状態で1年間に1.5cm、底質の最上層のCNP含有量は5ppb(湿重あたり)となる。湖心のこれらの値は、湖全体の平均値と考えられるので、それを仮定するとこの年に霞ヶ浦に流入したCNPの量は16kgと算出された。これは流域内でのCNP使用量の0.05%に相当する。 湖で養殖されたコイについてはCNPは検出されなかったが、自然のコイ、テナがエビ、シジミ貝では検出された。 これは、水系からの直接汚染よりも、底泥-食物という経路が汚染に対して大きな役割を果していることを示唆している。
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