研究課題/領域番号 |
60035047
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
湯 晋一 九州工業大学, 工, 教授 (30026215)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 乱流凝集 / サブミクロン粒子 / 高温 / 粒子の捕集 / 粒子の衝突速度 / 粒子の衝突効率 |
研究概要 |
種々の工業プロセスから粉塵は高温乱流エアロゾルとして排出される。これらの粉塵粒子を分離除去する場合、慣性効果が小さく、また分子拡散の効果もさほど大きくないサブミクロン粒子の分離捕集が最も困難であり、したがってこれらの粒子を凝集させ、大粒子に成長させると集塵効率を飛躍的に増大することができる。その為には凝集機構を明確にしておかなければならない。そこで我々が導出した理論式および実験によって乱流凝集機構を明らかにした。 これまでに行なわれてきた乱流凝集実験は、エアロゾルを攪拌槽中に密封して長時間(分単位)攪拌するものや、管内を流動させるもので容器壁や管壁にエアロゾル粒子が主に乱流沈着し、凝集量のみを測定することは困難であった。沈着は大粒子ほど良く起るので凝集を打消す方向に働き、測定される凝集量は真の値よりもはるかに小さい。粒子と流体の相対速度を考慮していない、凝集量を小さく見積るSaffmanand Turnerの式で乱流凝集機構が検討されてきたのはそのためである。上記したように沈着による誤差が大きいため実際に気流の乱流中で起っている乱流凝集量は従来考えられていたものよりもはるかに大きいと考えられる。粒子と気流の相対速度を考慮した我々の理論式はSaffmanand Turnerの値よりもはるかに大きな凝集量をあたえる。これの実験的な検証を行なった。我々の実験では沈着による誤差を可能なかぎり小さくして凝集量を測定できるように、攪拌時間はごく短時間(秒単位)とした。また短時間での乱流凝集量を大きくするために試料エアロゾルとして高濃度N【H_4】clエアロゾルを用いた。その結果数秒間で平均粒径が1.5倍程度にまで凝集がおこり、我々が導出した理論式の値ともよく一致した。そして実験値と理論値を細部にわたって検討することによりほぼ乱流凝集機構を明らかにすることができた。
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