研究課題/領域番号 |
60035050
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
市川 洋 鹿児島大学, 水産, 講師 (60128410)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 潮目 / 水平収束 / 浮游生物 / 浮游物質 / 水塊 / 鹿児島湾 |
研究概要 |
異水塊の境界域には細長い帯状に海面浮游物質が集積している「潮目」が形成されることが多い。この潮目は異水塊間での表層物質移動の障壁あるいは汚染物質がプランクトンの集中域になっており、赤潮の発生・維持機構が汚染物質の凝集・拡散機構を考える上で重要な現象である。しかし、潮目はその空間規模が小さく、しかもその出現日時と場所が不安なため、計画的で精密な観測は従来ほとんど実施されておらず、潮目付近の海水流動構造や物質濃度・浮游生物の微細分布の実態は明確に把握されていない現状である。本研究では鹿児島湾東部海域に頻繁に形成される黒潮系外洋水と沿岸水との境界域の潮目を研究対象として、潮目付近に展開した多数の表層漂流ブイを追跡することによって潮目付近の海水流動構造を把握すると同時に、潮目付近の物質濃度分布と浮游生物分布を測定する海洋調査を昭和60年6月(予備観測)と9月(本観測)を行った。なお11月、昭和61年2月にも観測を試みたが潮目を発見できなかった。調査結果を以下に述べる、 1.潮目の出現条件:潮目の存在は浮游物体(木片・海藻・浮石等)の帯状分布域あるいは水色・さざ波の急変帯とし感知されるものであり、11月と2月に発見できなかったのは風速がかなり大きかったためと思われる。 2.海水流動構造:潮目そのものは主として潮流によって流される。当初潮目の両側に放流したブイのうち片側の分のみが潮目に収束した。このことより潮目付近の流れは潮目に対称ではないといえる。潮目付近の水平収束率は4×【10^(-4)】/秒と一般外洋に比べて数10倍の大きさである。 3.物質・生物分布:表層水中の物質濃度には目立った変化はなかった。浮游生物の粗沈澱量は潮目で極大となった。
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