研究課題/領域番号 |
60035051
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
片岡 健 大阪府立大学, 工, 教授 (00081357)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 環境排水 / 排水処理 / イオン交換 / アミン / 電着塗装 / 水溶性塗料 / 富栄養化 / 中和反応 |
研究概要 |
初年度および59年度には、主に純アミンの吸着法の解明に力点を置き、アミンの吸着にはH型樹脂による中和反応を伴うイオン交換が選択性が高く有利である事、またゲル型樹脂の方が多孔性MR型樹脂に比べ粒内拡散係数が大きくアミンの吸着剤として好ましい事が判明した。さらに平衡関係の表示および粒内拡散係数の推算法等を明らかにした。本年度は、これらの知見を基に以下の諸点を明らかにした。 1.溶離法の検討 樹脂に吸着したアミンの溶離剤として、NaOH水溶液を用いると、ほぼ不可逆的にアミンが脱着され、純アミンの回収率として83〜90%の高い値が得られる事を明らかにした。 2.産業実排水処理への適用 アミンの消費量の多い電着塗装排液{(ジイソプロパノールアミン+2種の溶剤+Fe+3種の低分子塗料)水溶液}に対する吸着平衡関係を測定し、低分子塗料のみがアミンの吸着量を小さくする作用がある事およびアミンの最高吸着量は交換容量の約80%となる事がわかった。また、吸着過程の破過曲線を測定し、アミンおよび低分子塗料が、実排水から樹脂に良く吸着分離される事がわかった。溶離実験では、溶離剤NaOHの破過時間までに、約80%のアミンおよび大部分の低分子塗料が溶離する事が明らかとなった、アミンの濃縮率は、0.5Nおよび2N NaOHを用いた場合、それぞれ14および43倍となった。吸着一溶離のくりかえし実験では、5サイクル程度で定常状態に到達し、溶剤および塗料の顕著な妨害は見られなかった。以上の結果から、本法の電着塗装実排水処理への適用は十分可能と考えられる。 なお、本年度設備備品として購入した溶液点電率計は、アミンの粒内拡散係数の測定に、またパーソナルコンピュータは、破過曲線および溶離曲線の理論計算に使用した。
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