研究課題/領域番号 |
60040004
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
向井 利夫 東北大学, 理, 教授 (30004237)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
1985年度: 19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
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キーワード | 高エネルギー物質 / 光エネルギーの変換・貯蔵 / 光の短波長化 / ノルボルナジエン / クワドリシクラン / 増感剤 / 水の分解 |
研究概要 |
光反応によって、高エネルギー物質を生成し、必要に応じて、熱および電気エネルギーとして取り出せる可逆的変換系を構成することが本研究の目的である。(【i】) π-電子系の関与する光エネルギーの変換・貯蔵系の研究:ビフェニルが縮環したり、フェニル基の置換したシクロブタン系化合物およびメチレンシクロプロパン系化合物とTCNEとの電荷移動錯体の光励起反応が研究され、後者では酸素との特異反応が見出された。(【ii】) 増感剤を利用する光エネルギーの化学的変換の研究:キサンテン系有機色素を用いる水の光分解とキノン類の光還元が研究され、長寿命のラジカルアニオンを生成する反応が見出された。(【iii】) 錯体による光の短波長化の研究:配位子としてサリチル酸メチル、中心金属に種々の希土類金属を配した錯体を用いて光一光変換反応すなわち光の短波長化の研究で多くの考察がなされた。 (【iv】) 金属錯体をメデイエーターとする光エネルギーの化学的変換の研究:トリフェロセニルベンゼン類のなかには光分解の触媒として、ルテニュム-ピリジン錯体に匹敵する性能を有するものが見出された。(【v】) 光エネルギーの化学的・電気的エネルギーの変換システムの研究:半導体電極上に色素(アクリジンオレンジ、チオカルボシアニン類)を含む累積膜を形成し、光照射によって生ずる電気変換および移動機構についての考察がなされた。(【vi】) 水溶性太陽エネルギー貯蔵化合物の研究:アルカリ水溶液中において16種の可溶性ノルボルナジエン誘導体の光閉環反応およびコバルト-ポルフィリン系触媒によるクワドリシクラン類の開環反応が研究され、反応機構に関する知見が得られた。(【vii】) 新しい電子系による光エネルギーの可逆的貯蔵研究:ドナーアクセプター型のノルボルナジエン-クワドリシクラン系の原子化異性反応の触媒の研究がなされた。特にコバルト-フタロシアニンテトウスルホン酸固定化触媒による不凍液中の放熱プロセスの実験が行われた。
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