研究概要 |
次の無機プロセスにつき省エネルギーを目的として研究を行った。 (1) 銅製錬の合理化に関する研究(東北大選研,矢澤 彬)酸素とフェライトスラグを用い、排出【SO_2】をリサイクルする方式の継続実験として、バリウムフェライトスラグの場合も70〜75%Cuマットと平衡する場合が好適なことを確かめ、このような条件下での熱状支を計算し有望性を示した。しかしソーダフェライトスラグは不適当であった。 (2) 省エネルギー型亜鉛製錬に関する研究(東北大・工 阿座上竹四)鉄還元法による亜鉛回収において、32%Znの製鋼ダストを原料として実験を行った。第1段の鉄還元、第2段の亜鉛還元とも良好な結果を得たが、第1段はCO-【N_2】混合ガスでも可能であり、第2段は1200℃程度なら眞空でなくても【N_2】気流下で進行することを確かめた。 (3) ガラス溶解過程の高効率化(岡山大・工 高橋克明)シャフトキルンで加熱後、チャンネル部で溶解し、通電溶融窯で均質・清澄を行う方式につき、種々検討を行った。バッチへのカレット添加量、また【Na_2】【CO_3】/【Na_2】【SO_4】の割合が溶融温度に及ぼす影響を定め、さらに通電下でのガラス-金属界面の反応を調査した。 (4) 化学エネルギーの有効利用化としての複合ループ燃焼法(東工大明畠高司,石田 愈,他)燃料の低温改質と金属酸化物の低温還元、高温酸化を組込んだ複合ループ燃焼法につき、酸化鉄の還元・酸化反応を追求した。【Fe_2】【O_3】【「!」】Feのサイクルでは繰返しによる速度低下が著しいが、【Fe_2】【O_3】【「!」】【Fe_(1-y)】O反応サイクルが速度低下も無く好適であった。 (5) 電極反応の組合せと3次元電極の開発による電解プロセスの効率化(九大・工 楠 浩一郎 他)石炭スラリーを陽極復極剤とし、鉄(【II】)イオン酸化を伴う水電解により、【H_2】発生エネルギーを半減し、石炭の脱祭を実現した。グラファイトファイバー充填電解槽で十分な電流密度が得られた。使用電極の耐久性や硫黄除去速度も調査した。
|