研究課題/領域番号 |
60040011
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工, 教授 (50029881)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 超弾性材料 / Ti-Ni合金 / エネルギー貯蔵装置 / エネルギー貯蔵材料 / マルテンサイト変態 / エネルギー貯蔵効率 / 超弾性材料の疲労 |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き継きTi-Ni超弾性材の疲労に関する研究と超弾性材料を利用したエネルギー貯蔵装置を試作して、その性能評価を行う研究を併せ行った。以下それらを二つにわけて研究実績の概要を記ち。 (1)Ti-Ni合金の疲労の研究:これ迄の研究で、Ti-Ni合金につき適当な加工熱処理を施こせば、機械的エネルギー貯蔵材料としてのエネルギー密度ならびに貯蔵効率を著しく改善できることを明らかにしたが、疲労寿命については難点があった。疲労の原因の一つとしては、従来用いられてきたカーボンルツボを用いた高周波溶解法ではカーボンの混入が考えられるので、今回はカーボンルツボを用いない電子ビーム溶解法によって作製した試料について疲労試験を行い、疲労寿命の測定を行った。用いた試料の組成は、Ti-50.5at%Ni、Ti-50.7at%Ni、Ti-50.9at%Niの三種であった。分析の結果、C濃度はいずれも70ppm以下で、従来のものに比べ1/10以下であった。また光学顕微鏡観察でも炭化物介在物のないきわめてきれいな試料であった。これらの試料ならびに各種熱処理に対し疲労試験を行った結果、Ti-50.7at%Ni合金を加工像673Kで焼鈍した試料において最も良好な疲労特性が得られたが、光化物介在物の存在は疲労寿命にあまり影響を及ぼさないという結果になった。 (2)エネルギー貯蔵装置の試作:モーター、フライホイール、クラッチ、超弾性ワイヤー及びマイコンからなるエネルギー貯蔵装置を試作した。超弾性ワイヤーへのエネルギーの入出力はフライホイールの回転数から測定した。エネルギー貯蔵効率は、試験温度と共に上昇し、最高値は72%であった。この値は材料固有の貯蔵効率より10%だけ低い値である。以上の研究により、超弾性材料を用いたエネルギー貯蔵法が、エネルギー回生装置として有効であることが確認できた。
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