研究概要 |
研究目的 本研究は野生植物・作物・飼糧・微細藻類など農産資源および未利用生物資源の有効エネルギー化を目的として、炭化水素・油脂・でん粉・易分解性セルロース類などの生産性が大きいエネルギー資源としての植物・作物の検索・選定と栽培、収穫管理方法などの基礎研究を行なうものである。 成果の概要 1)石油植物の研究:ユーホルビア属3種のカルス誘導に成功し、ユーホルビアとの細胞融合を行なわせるべき細胞を脂肪酸やテルペンの高産性の高等植物から探索するためこれらのカルス誘導も行った。生理活性物質などを油分から抽出する研究では、ユーホルビア属の葉からポリプレノールを単離し、レモンユーカリ油中にはマツノザイ線虫及び蛟の忌避物質が含有されていることが判明した。またコパイフェラの油成分は分子量204のセスキテルペン炭化水素が70%以上を占め、発熱量は約10,000Kcal/Kgと極めて高いことが判明した。 2)アルコール・メタン発酵資源の研究:生産力の高い根菜類及び【C_4】型作物の生産支配条件ならびにエネルギー産出・投入比を検討し、例えばネピアグラスの生産過程のエネルギー産出/投入比は全乾物収量が30ton/ha以上の場合6.8〜9.2の高い値を示し、テンサイが1.6〜2.1、バレイショが約2であった。 3)微細藻類の研究:培養液中に沈めたシリコンチューブを通じて【CO_2】を拡散させる方法で【CO_2】の利用率を最大にでき、閉鎖系培養が可能となった。また黄色鞭毛藻はβ-1,3グルカンを生産することが分った。緑藻が暗嫌気条件下で水素を発生する事実に着目し、安定な水素生産システムを提案した。新たに海水から分離した単細胞藻MCA161株は窒素制限条件下の低温または高塩濃度下ででん粉蓄積量が30〜50%に増加し、他の藻類の光依存水素発生に匹敵する暗水素発生がみられた。(20μl/mg dry Cut)。転換率は約2mole【H_2】/mole glucoseであった。
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