研究概要 |
主として新夕張炭及び太平洋炭を試料とし、ニッケル系触媒を中心に常圧水素気流中600℃までの温度域を主とする水添ガス化により、以下の結果を得た。 1.石炭への触媒添加方法の比較 (1)石炭に硝酸ニッケルを直接含浸担持、(2)同上触媒をモンモリロナイト担体に含浸担持て、石炭と混合、の両者いずれでも、石炭重量減は無触媒時と大差なく、しかも、メタン生成量には触媒の効果が大きく認められたため、この温度域では、石炭揮発分の水添反応が主であり、触媒層を石炭から分離することが可能であると考えられる。 2.石炭揮発分の水添メタン化反応に及ぼす触媒担体の効果及び担持金属の触媒効果の比較 ニッケルを中心に数種の金属を担体に担持し、セラミックウール上に分散させて触媒層とし、水添反応を行った結果、揮発分を高い効率でメタン化し得ることが認められた。(1)Ni触媒に対する担体として、モンモリロナイト、チタニア、アルミナ、シリカに含浸担持して比較した所、新夕張炭のメタン転化率は、それぞれ、85,95,83,23%,(無触媒13%)(Ni担持量7.5wt%)となり、特にモンモリロナイトでは、Ni担持量の増加により95%の転化率が得られ、かつ 失活の程度は、他の担体よりも秀れていた。(2)モンモリロナイトを担体とし、滴定法により、Ni,Fe,Co,Cuの金属水酸化物を層間に挿入担持した触媒を用いると、メタン転化率は、Ni90%に対し、Co28,Fe14,Cu13%となり、メタン転化に関してはNiが最も秀れているが、一方、他の金属では、中間成分への転化の可能性が認められ、ガソリン転化の観点から興味深い。 3.無機塩添加チャーの水添ガス化、炭酸カリウム、硝酸ニッケル等を添加しチャー化したものに、ニッケルを再担持すると、600℃以上でのメタン化活性が増大することが認められた。
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