研究課題/領域番号 |
60045020
|
研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
閑 春夫 群馬大学, 工, 教授 (40008454)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | PHOTOCHEMICAL REACTION / ELECTRON TRANSFER / EXCITED STATE / QUENCHING |
研究概要 |
(1)光電子移動反応に対する中心金属の効果及び光電荷分離反応の高効率化: レーザー光分解法によりインジウム(【III】)テトラメチルポルフィリンに二つのトリエタノールアミンが配位したIn(【III】)TPP【(TEA)_2】は励起三重項状態においてメチルビオローゲン(【MV^(2+)】)へ効率よい電子移動をおこすことを見いだした。この電子移動反応はまずポルフィリン環から【MV^(2+)】へ電子移動し、続いて中心金属Inに配位した電子供与体(TEA)から、ポルフィリン環力チオンラジカルへの電子移動をおこすので電子移動の結果In(【III】)TPP(TEA)+【TEA^+】+【MV^+】となる。従って金属ポルフィリン錯体を用いることにより、高効率の電荷分離をおこし、逆電子移動反応をおさえることに成功した。クロルロジュウム(【III】)テトラメチルポルフィリンではTEA存在下において基底状態で化学変化をおこすので配位子をTEAからピリジン(Py)に変えて実験を行った。基底状態で一ツのPyが配位したClRh(【III】)TPP(Py)は、励起三重頂状態において、Pyを配位させないものに比較し2.5倍も効率よく【MV^(2+)】へ電子移動することを見いだした。これは中心金属ヘピリジンが配位することにより、In(【III】)-TPP【(TEA)_2】錯体の場合と同様にポルフィリン環のイオン化電圧がわずか減少して、【MV^(2+)】への電子移動の効率が高くなるのではないかと思われる。この様に金属テトラフェニルポルフィリンのアキシャル位に電子供与性分子を配位させることにより、励起三重項状態においてポルフィリン環からの電子受容体【MV^(2+)】への電子移動反応の高効率化が可能となる。 (2)配位子ピリジンの離脱及び付加反応: ClRh(【III】)TPP(Py)錯体は電子受容体である【MV^(2+)】が存在下では励起三重項状態で電子移動をおこすが、【MV^(2+)】が存在しないと三重項状態で配位子のピリジンが離脱することを見いだした。基底状態では、また再びClRh(【III】)TPPへピリジンが付加し、出発物質にもどる。レーザー光分解法により、これらの極めて興味ある基礎過程が明らかとなった。
|