研究概要 |
1.ホウレンソウ葉緑体から分子量15〜25万、クロロフィルa、鉄をそれぞれ、1、40、12ずつ含(分子比)含み、超低電位物質と考えられるCenter A,CenterB,Component Xおよび閃光分光法による光化学活性(P700-P430)が葉緑体とほぼ同じ光化学系1色素蛋白複合体を電気泳動的に均一な形で得ることが出来た。 2.サブユニット構造をSDS電気泳動で分析した結果、66、2119、18および8KDの5種のポリペプチドから成ることが分った。 そのうち21、19、18KDのサブユニットはそれらを欠きながら活性は同じ標品を得たところから、光化学活性に必須ではないと考えられる。 3.66KDのポリペプチドはP700およびクロロフィルを含むがさらに注意深く調製(ゲル浸透クロマトグラフィを利用)した標品にComponent Xを検出した。光化学活性はかなり異なるが、初期光化学反応に関しては基本的に同じであった。 4.結論として66KD蛋白に超低電位還元物質を含めて光化学系1の初期反応に必要なすべての基本的要素が含まれていると考えられ、今後の研究はこの蛋白質を中心に進めていくべきであるとの指針を得ることが出来た。
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