研究課題/領域番号 |
60045034
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 宏 東京大学, 工, 助教授 (80011188)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1985年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アモルファス / 多孔質化 / 触媒 / ニッケル-ジルコニウム / CO水素化反応 |
研究概要 |
本研究の目的は化学的な展開法により比表面積の大きいアモルファス材料を得る手法を確立することであり、もつとも安価で大量に得られる厚さ20μm程度のテープ状合金を、化学反応によって展開し、広い汚染されていないテープの内表面を得ようという方法である。またこうして得られた高比表面積アモルファス合金の触媒特性を、CO水素化等に対して検討し、合金化、アモルファス化による触媒特性、選択性の改良指針を得ることである。 以上の目的の下にCO水素反応を行ない以下の結果を得た。 (1)CO+【H_2】の反応によって、Nix 【Zr_(1-x)】(X:0.33〜0.91)アモルファス合金リボンが、多孔質化する機構を明らかにした。多孔質化の機構は、Zrが部分的に酸化される際に発生する機械的内部応力により、亀裂が生じ、経時的に亀裂の微細化が進行することによる。多孔質化を制御して行うことにより、1〜20【m^2】/gのアモルファス触媒を得ることができる。 (2)上記、一連の組成の合金に対して比較検討した結果、多孔質化現象を示さない合金組成が複数見出され、これら触媒の活性は、表面積当りに規格化されても極めて低いことが解った。主としてZr【O_2】から構成される表面汚染層の存在が、低活性の主因であり。多孔質化は実用的見地からはもとより、アモルファス合金の真の活性を正しく把握するためにも重要であることが明らかにされた。 (3)多孔質化表面のCO水素化特性を検討した結果、高純度Niの標準試料としての、超微粒子Niと比較し、多孔質化NiZr合金の活性は著しく高いことが解った。また炭化水素鎖長に関しては実験条件(265℃,latm)において、Niがほとんどメタンを生成するのに対して、合金は40%程度までの長鎖成分を生成した。アモルファス合金化による、活性、選択性の改良への基礎的知見が得られた。
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