研究課題/領域番号 |
60045045
|
研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
森 康夫 電気通信大学, 電通, 教授 (20016207)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | 開放型海洋温度差発電 / 複合熱源 / 太陽熱 / 多目的利用 / 比出力 / 造水比 / 熱効率 |
研究概要 |
本研究が最終目的とする複合熱源多目的開放型海洋温度差発電は、昼間には温海水を太陽熱で加熱して80℃前後の高圧蒸気と加熱水を作り、この蒸気と加熱水をフラッシュさせて得られる中・低圧蒸気とを膨張させて大出力を得、またタービンの俳気を表面凝縮器で淡水に、残りの蒸気を直接接触凝縮器で経済的に凝縮させる多機能凝縮器を用い、発電、淡水造水および冷海水の海洋牧場利用の多目的性を有する。 本年度の研究目的は上記発電方式を開発する上で最も重要な太陽加熱器と多機能凝縮器の基礎性能を実験的に求め、その結果を基礎に実用規模のプラントの最高性能等の条件とその性能などを求め、従来の開放型との比較より本発電方式の優れた特性を明らかにすることである。熱工学的には支障がないので冷海水としては水道水を用い、温海水としては水道水を加熱して大気温より25℃前後高くしたものを用い、次の成果を得た。太陽熱加熱器の断熱ガラスの吸収、反射等の損失により温水の吸熱効率の上限値は81.4%である。加熱管内伝熱特性を示すNu数はGr数とRe数の比であるGr/【Re^2】の値により変化し、純強制対流層流発達流のNu=4.36に対し0.1前後で約3.9倍となり、本発電方式で主に利用する1に近い範囲で軸方向の逆流とふく射損失のために低下する。上部に表面凝縮器、下部に直接凝縮器部を備えた多機能凝縮器を試作し、温水をフラッシュさせた蒸気で性能を研究した。フラッシュと直接接触凝縮器で噴出させた水滴より空気が溶出し、表面凝縮器の性能は空気がない場合より40〜60%低下することが分った。太陽加熱器の実験結果を基に、昼間出力約40MWe、夜間4MWeのプラントにつき、熱効率と単位温海水流量当りの出力(比出力)につき最適条件と性能を求めた。加熱器出口温度80℃の場合、熱効率は従来の開放型の2倍、比出力は約12倍、造水昌は6.5倍で、出力増加はエンタルピー増加によること、一日平均比出力は約4倍であることを明らかにした。
|