研究課題/領域番号 |
60045074
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片山 俊 大阪大学, 基礎工, 教授 (50029386)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1985年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 液滴の運動 / 直流電場 / 液々分散 / 連続液相の混合 / 分散相ホールドアップ |
研究概要 |
電場を備えた液々スプレー塔(内径:5cm,塔長:60cm)を試作し、分散相に蒸留水、連続相にシクロヘキサンを用いて次の事柄を調べ、電場の効果を検討した。 (1)液滴の運動: 電場中の単一非帯電水滴は電圧を印加しない場合の直線運動から、電圧印加の螺線およびジグザク運動に変化した。その結果、外部スイッチ操作で分散滴の運動を自在に制御(分散相の滞留時間)できることがわかった。 (2)分散相ホールドアップ特性: 電場中の分散滴は塔の上半部と下半部で異った挙動をした。塔上半部では、液滴は水平方向に激しく運動しながら下降するのに対して、塔下半部では、滴同士の合一が激しく、合一滴の一部は電気力により再分散するが、大部分の合一滴は複雑な運動をしながら下降した。その結果、分散相流量が同じでも分散相ホールドアップは印加電圧に棡存して増減し、5kVで極小となり、電圧と共に増加し、10kVを超えると再び減少した。 (3)連続液相側混合特性: 電場中を分散相と連続相を向流接触させ、トレサー応答法により、連続液相側の混合特性を調べ、拡散モデルにより検討した。その結果、印加電圧の増加と共にトレサーの応答曲線のピーク位置は遅くれ現われた。これは塔軸と直角方向に電場が作用しているため、連続相、分散相共に電場方向の流れが生じ、それによる混合の寄与が大きくなり、トレサーの軸方向の拡散が遅くなるためである。印加電圧の増加と共に、連続相の軸方向、横方向共に混合状態はよくなり、連続相はピストン流れに近くなることがわかった。 (4)消費エネルギー: 10kVの印加電圧場に10.8×【10^(-3)】【m^3】/hの分散相流量を供給したとき、分散相によって塔内の液を攪拌・混合するのに要した消費電力は8.5kW/【m^3】であった。
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