研究課題/領域番号 |
60045097
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
中島 康孝 工学院大学, 工, 教授 (70100344)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 潜熱蓄熱材 / 複合蓄熱装置 / 融点 / 流量変化 / 流入温度変化 / 充填体積比 / 年平均地中温度 |
研究概要 |
研究目的-本研究は、低位度エネルギーの利用をより有効に向上させるための複合蓄熱装置の研究で、一般土壌を潜熱蓄熱カプセルと組み合わせた複合蓄熱装置を取り上げ、有効性を検討する。 研究成果の概要-1.潜熱蓄熱材基礎実験に関する研究:貫通口付潜熱蓄熱カプセル(Ca【Cl_2】・6【H_2】O,95Φ)を、太陽熱利用蓄熱システムに用いるために、熱媒体に水と空気を用いて、随時一定の温度・流量で流入させ、流量変化・流入温度変化・充填量変化に関し実験を行い、基礎的な性状を明確にすることによって次の点が明らかになった。(1)潜熱変化域において熱媒の出口温度は顕著に潜熱変化の影響を受け、出口温度と融点との差は5℃前後となり、潜熱蓄熱材は融点を境に±2℃の間で変化している。初期の顕熱変化においては、蓄熱材の上下温度分布は小さいが、後半の変化においては、流量が遅いほど上下の温度分布は大となる。(2)蓄放熱時間は、実用範囲において水式は3〜6時間、空気式は8〜15時間となる。放熱時の過冷却、固相・液相の熱伝導の問題、又特に蓄熱時の液相変化は対流により伝導が促進されるため蓄熱よりも放熱過程の方が長くなる。 2.シミュレーションによる評価:潜熱蓄熱材使用時の有効性及び地域的な地中蓄熱の有効性について次のことが明らかとなった。(1)潜熱蓄熱材を用いることで蓄熱槽の小型化が可能となり、集熱面積10【m^2】に対して1.0【m^3】前後の蓄熱タンク(充填体積比 水:潜熱蓄熱材≒1:1)が妥当という結果が得られた。(2)地域的な有効性について、同じシステムを各地域の気象条件のもとで運転を行った場合、日射量の少ない地域では土壤よりの回収量割合は増すが、槽内温は外気温を下まわり逆効果となる。そこで、土壌よりの回収量への影響を見るとほとんど年平均地中温度に影響され、年較差はあまり影響を与えないことが明らかになった。
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