研究課題/領域番号 |
60055003
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研究種目 |
エネルギー特別研究(核融合)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 貞衛 東北大学, 工, 助教授 (80005892)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 低Z材料 / 核融合装置炉心材料 / 水素リサイクリング / SiC / TiC / VC / イオンビーム分析 / 水素同位体の捕捉・再放出 |
研究概要 |
核融合炉の第1壁やリミターはプラズマの汚染による放射損失を軽減するために低原子番号材料で被覆する必要がある。低原子番号材料を核融合炉の第1壁に使用するためには、これらの材料における水素リサイクリングに関するデータがプラズマの密度や組成を制御するため、更には壁材のトリチウム吸藏量や水素脆化を評価するために不可欠である。本研究は水素リサイクリングに関与する過程のなかで最も重要な水素同位体の捕捉、放出過程に関する実験データをイオンビーム解析法による深さ方向の水素濃度分布の測定より得ることを目的とするもので、本年度はTicおよびVCについて実験を行った。これらの炭化物は広い範囲の非化学量論組成をもつ不定比化合物であるから、炭素濃度による捕捉・放出挙動の変化について重点的に研究した。主要な結果を以下に記す。 1.TiC中に注入された水素は飛程の終端近傍に留まらず、試料内部に向って拡散移動する。水素の拡散・移動は炭素濃度が低い程(不定比性を増す程)顕著である。 2.TiCにおいて、注入初期においても捕捉率は100%にならず、1部の水素は直ちに再放出されることが判った。また、注入量が増加するに従い次第に捕捉率は低下し、飽和する傾向が認められた。飽和状態における水素濃度は組成により異なり、Ti【C_(0.96)】で0.27/host atom、Ti【C_(0.83)】で0.21/host atomであった。 3.VC中に注入された水素も、TiCと同様に、飛程の終端から試料内部に向って拡散移動する。この場合も不定比性を増す程拡散が顕著である。
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