研究課題/領域番号 |
60055027
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研究種目 |
エネルギー特別研究(核融合)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 正宣 大阪大学, 工, 教授 (20028971)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 核融合炉材料 / セラミックス / 被覆材 / 照射損傷 / チタンカーバイド / 耐熱性 / 熱衝撃試験 / ブリスター |
研究概要 |
核融合炉第一壁材料としての低Zセラミックス被覆材の耐熱特性評価のための基礎研究として、グラファイト基板TiC被覆材を拡散焼鈍法およびCVD法により作成し、ヘリウムイオン照射試験、熱サイクル試験を実施して耐熱特性に及ぼすヘリウムイオン照射効果を調べるとともに、さらにパルス電子ビーム照射による熱衝撃試験を行った。 拡散焼鈍法により作成し、表面研磨した膜厚18μmの【TiC_(0.8)】被覆材は、赤外線イメージ炉を用いての、下限温度600℃、上限温度1100℃、昇降温速度10℃/sec、1000サイクルの熱サイクル試験の結果、TiC被覆材表面に粒界ステップの発達が見られたが、ヘリウムイオンを照射(エネルギー20kev,線量5×【10(^(17)_(10ns))】/【sec^2】)して表面にブリスターを生成させた【TiC_(0.8)】被覆材では、上と同じ熱サイクル試験を行っても、粒界ステップの発達はみられず、熱サイクル試験の前後で表面形状に差異は認められなかった。 また、ブリスター生成の臨界線量以下の照射を受けた領域に於ても、上記の熱サイクル試験の後では、表面に新たにブリスターが発生、剥離することが観察された。 次に、CVD法により作成し、表面研磨した膜厚7μmの【TiC_(0.95)】被覆材に対する、パルス幅1.5秒のパルス電子ビーム照射による熱衝撃試験を行った結果、TiC被覆材の損傷は照射電子ビームのPower密度に非常にcriticalに依存することが確かめられた。 すなわち、照射電子ビームのPower密度が2.9kw/【cm^2】以上では、照射中心部のTiCが融解、蒸発して基板のグラファイトが露出、欠損し、その周りのTiC融解部ではTiCの凝固、再結晶化、さらにその周囲のTiC変色部では直径10〜20μmのブリスターおよびその剥離跡で覆われていることが見出された。照射電子ビームのPower密度が2.8kw/【cm^2】以下ではTiC表面にcrackが発生するに留まり、さらに1.7kw/【cm^2】以下のPower密度では表面損傷は観察されなかった。
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