研究課題/領域番号 |
60055044
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研究種目 |
エネルギー特別研究(核融合)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
久保田 洋二 日本大学, 理工, 助手 (40059738)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ニオブ・チタン / 複合多芯線 / 交流損失 / 3本撚線 / ツイスト方向 / クエンチ電流 / 絶緑の厚み |
研究概要 |
パルスや交流使用で大電流容量を持つ実用導体としては、低交流損失・高パルス安定な複合多芯線を基本素線とし、その多数本の撚線が有力であると考えられている。本研究の目的は導体の撚線方法による交流損失の変化と絶緑層の厚みによるパルス安定性を実験的に研究することである。導体の撚線構造は:【◯!A】:基本素線→【○!(○○)】(3本撚り)→コンパクション→絶緑;【◯!B】:基本素線→ハンダ・ディップ→【○!(○○)】→コンパクション→絶緑;【◯!C】:基本素線→ハンダ・ディップ→【○!(○○)】→ハンダ・ディップ→コンパクション→絶緑;の3つのタイプがある。更に、各タイプで素線と撚線のツイスト方向が、正・逆の2種類あり、計6種類の撚線を製作した。パルス安定性の測定には、基本素線に絶緑ワニスを0μm〜30μmまで3μmずつ変化させ、被覆した導体を用いた。交流損失はタイプ【◯!A】〜【◯!C】の導体をバイファイラー・ノンインダクティブに約21m捲き、最大発生磁場10T、最大磁場変動率250T1秒の範囲内で、59、60年度の久保田らの科研費で整備された低雑音増幅器とコンピューターを用い測定され、データー処理がなされた。交流損失の大きさは、タイプ【◯!A】と【◯!B】ではほぼ同じであるが、タイプ【◯!C】ではこれらの値の約10倍以上に増大している。即ち、3本に撚る前のハンダ・ディップでは素線間の結合電流による損失は殆んどないが、撚線後のハンダ・ディップは素線間の抵抗を減少させ結合電流を著しく増大させることを意味している。素線と撚線のツイスト方向による交流損失はタイプ【◯!B】では、同方向ツイスト導体が約15%逆方向ツイスト導体より少なく、タイプ【◯!C】では、逆方向ツイスト導体の方が約50%同方向ツイスト導体より少なく、タイプ【◯!A】もタイプ【◯!C】と同じ傾向である。パルス安定性の指標となるクエンチ電流は、素線が非常に低損失・高パルス安定な導体のため、絶緑の厚み依存を示さず、ほぼ一定で直流磁場中の臨界電流と一致する。
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