研究課題/領域番号 |
60060003
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
川路 紳治 学習院大学, 理学部, 教授 (00080440)
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研究分担者 |
岡田 三男 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60013158)
安藤 恒也 東京大学, 物性研究所, 助教授 (90011725)
川畑 有郷 学習院大学, 理学部, 教授 (80013514)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
170,500千円 (直接経費: 170,500千円)
1988年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1987年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1986年度: 101,800千円 (直接経費: 101,800千円)
1985年度: 38,700千円 (直接経費: 38,700千円)
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キーワード | 量子ホール効果 / 局在 / 2次元系 / 半導体反転層 / 半導体ヘテロ構造 / 微細構造定数 / 2次元電子 / 分数量子ホール効果 / アンダーソン局在徴細構造定数 / 量子ポル効果 / アンダーソン局在 |
研究概要 |
1.分数量子ホール効果の実験:(1)GaAs/AlGaAsヘテロ接合試料で、1/3および2/3状態のエネルギー・ギャップを対度抵抗率の温度依存性によって測定し、エネルギー・ギャップは磁場のみではなく、電子移動度にも依存すること、電子・正孔対称性がないことを明らかにした。(2)ホール抵抗率の磁場依存性を測定し、1/7状態が量子液体であることを示す構造を発見した。 2.整数量子ホール効果と局在の実験:2次元系のランダウ準位における局在がランダウ量子数Nに依存することを、Si-MOS反転層で確認し、局在長に対するエネルギーの臨界指数をN=0およびN=1ランダウ準位で求めた。 3.弱磁場磁気抵抗の実験:高移動度GaAs/AlGaAsヘテロ接合試料で垂直磁場の2乗に比例する異常磁気抵抗を、Si-MOS反転層で磁場方位によらない異常磁気抵抗を、InAs反転層でスピン・軌道相互作用による磁気抵抗を発見した。 4.量子化ホール抵抗の高精度測定:Si-MOSFETの量子化ホール抵抗を測定し、電子の異常磁器能率から導かれる微細構造定数と比較して約0.3ppm大きいこと、GaAs/AlGaAsヘテロ接合と比較して、約0.1ppm大きいことを見出し、微細構造定数決定法として量子化ホール抵抗には問題があることを明らかにした。 5.バリスティック電子輸送における伝導度量子化の理論:散乱を受けない電子が量子細線を通過する伝導度が2e^2/hに量子化されることを示した。 6.量子ホール効果の理論:(1)トポロジカル不変量による整数量子ホール効果の数学的に厳密な説明を行った。(2)対角伝導率とホール伝導率は独立なスケーリング変数ではなく、互いに密接な関係があることを示した。(3)アンダーソン局在における2次元系の対称性の効果を数値計算で研究した。(4)量子細線のホール効果の特異な振る舞いにおけるサブバンド効果の重要さを示した。 7.高純度ヘテロ接合による2次元電子系の形成:分数量子ホール効果等の測定に用いるヘテロ接合を作製した。
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