配分額 *注記 |
278,500千円 (直接経費: 278,500千円)
1987年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
1986年度: 146,500千円 (直接経費: 146,500千円)
1985年度: 105,000千円 (直接経費: 105,000千円)
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研究概要 |
本研究は, 電子ビーム及びイオンビームで結晶表面を照射した際に発生するX線を, X線全反射角分光法(TRAXS)という我々の開発した新しい方法で測定し, 表面の超構造の解析を行なうことである. この研究計画に沿って, 我々独自のアイデアを盛込んだ[電子ビームTRAXS装置 (60年度)], [光電子回析装置(60年度)], [イオンビームTRAXS装置 (62年度)], [表面原子配列構造観察装置(61年度)]などを作製し研究を進めた. 先ずTRAXS自身の性質を詳しく調べ, その機構の解明を行なった. その結果, この方法は, (1)ビームの照射地点の元素分析や, (2)吸着量が0.01原子層から10,000原子層までの広い範囲の元素分析が可能であることの外に, (3)蒸着膜の成長の形態によらず測定が可能, (4)検出層の深さの制御が可能, (5)界面における元素分析や構造の研究が可能など, 多くの優れた特徴があることを明らかにした. それらの特徴を適切に利用することにより, 電子ビームTRAXS法, イオンビームAES法, イオンビームTRAXS法の3つの新しい方法を開発し, それぞれ表面の構造解析において優れた情報をもたらすことを実証した. 電子ビーム TRAXS法に関連した光電子回析の研究も進めたが, その際に新しい型の優れた電子分光器を発明した. この分光器は試料表面の1点より放射状に放出された荷電粒子について, ある一定のエネルギーをもつ荷電粒子の強度の方向分布を写真撮影できるという画期的なものである. この装置も作製し, さまざまな場合に適用して性能を確認した. 電子ビーム径が5〓で超高真空中で作動する新しい表面構造観察装置も作成した. 従来の走査電子顕微鏡では, 真空度が悪くてコンタミネーションが著しく, 清浄表面の研究には適さなかったが, 本装置では1.7×10^<-10>Torrの超高真空が得られた. これによりほぼ2.0〓の分解能が得られ, 表面原子配列構造の観察ができるようになった.
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