研究課題/領域番号 |
60104004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 安定 大阪大学, 基礎工, 教授 (00028101)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
30,600千円 (直接経費: 30,600千円)
1985年度: 30,600千円 (直接経費: 30,600千円)
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キーワード | インターカレーション / 2次元物質 / 層間化合物 |
研究概要 |
2次元的に強く結合して層状巨大分子を構成し、それが弱い結合のもとに積層してつくられる結晶は、面内、面間の強い異方性のために特殊な物性を示す。又積層間隙に種々のゲストイオン、分子を引き入れて層間化合物という特別な物質系を構成する。本特定研究班では、これらの特徴から導かれる新しい高次構造とその物性の本質を明らかにし、又これらの状態間の転移現象をも研究することに重点をおいた。ホスト物質としては、主としてC(グラファイト)、P(黒リン)、およびM【X_2】(遷移金属カルコゲナイド)をとり上げた、代表的な研究成果としては、 黒リン系:この物質自身の物性の研究にかなりの重点がおかれた。特に構造的安定性が詳しくしらべられ、温度-圧力相図が完成された。また立方相において高温超伝導性(Tc【〜!_】15K)が見出されたこと、又その性質がこの物質の夛形変態にともなう組織の不均一性に強く関係することが見出されたことは大きな成果である。理論的には電子状態について信頼度の高い解析が成功した。 グラファイト系:化学反応空間としての層状物質の特性が、水素吸着現象に関連して種々の実験方法によって研究され、水素分子の状態や解離について詳しい知見が得られたことは大きな意義がある。又層間化合物のステージ間相転移のダイナミカルな研究は層間でのイオンの運動に対してミクロな描像を与えたもので画期的な成果といえる。 M【X_2】系:Ta【S_2】における電荷密度波状態とアンダーソン局在状態、 LixZr【Se_2】の超伝導状態、磁気的秩序状態はそれぞれM【X_2】系の2次元電子状態の特徴を反映し、物質論的にきわめて本質的な示唆を与える研究成果が得られたものと評価される
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