研究課題/領域番号 |
60104005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
北原 文雄 東京理科大学, 工, 教授 (10084360)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
36,900千円 (直接経費: 36,900千円)
1985年度: 36,900千円 (直接経費: 36,900千円)
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キーワード | ミセル / 逆ミセル / ベシクル / リポゾーム / 累積膜 / LB膜 / 液膜 / 分子配向体 / 反応場 / ポリペプチド / コレステロール / シクロデキストリン / 触媒作用 / 酵素 / 微粒子 |
研究概要 |
1.新規両親媒性物質の合成とその機能:ポリペプチドを側鎖にもつクラウンエーテル型(【I】)、ポリペプチド基を主成分とする両親媒型(【II】)、シクロデキストリンを修飾した円筒型(【III】)、ポルフィリン誘導体を含む両親媒型(【IV】)などの新しい両親媒性(界面活性)物質が合成できた。これらは、相間移動触媒能(【I】)、二分子膜、ヘリックス型の特異な高次組織形成能(【II】)、包接能や触媒能(【III】)、光還元反応(【IV】)などの機能を示す。なお、これら高次組織、機能について今後の発展が期待される。 2.物性、高次組織:a.ミセルについて、界面活性剤の対イオンの広い選択による界面活性剤の溶解性の著しい変化、ミセル形態(球状か棒状か)による可溶化能の大きな差異、界面活性剤の選び方による混合ミセル形成の成否、b.逆ミセルについて、リン脂質の逆ミセル物性の解明、水可溶化逆ミセル物性の含水量による著しい変化、c.新規物質(【I】)のベシクル形成能、コレステロール誘導体を含むリポゾーム挙動のコレステロール依存性、d.新しい方法(ズリ波共鳴法、強制レーリー散乱)による液晶、ミセル物性、ヌクレオチド水溶液の無塩条件下での局所的構造形成などがわかった。 3.機能:カチオンミセルの補酵素作用の促進、逆ミセル内での酵素作用の促進、高速反応場としてのミセル、光伝達反応場としての逆ミセル、ラジカル対の生成、消滅に対する磁場効果のミセル内での促進微粒子生成場としての逆ミセル、特異な重合方式の促進、混合系により電導性変化の場としての累積膜(LB膜)、自励発進現象を起す界面活性剤の液膜など、反応場としてのミセル、逆ミセル、ベシクル、分子配向体の特異効果が種々研究され、新しい現象、機能が見出された。これら機能とミセル、分子配向体の分子配向、高次組織との関連がしらべられた。なお、これら機能については今後さらに研究が進み、その利用が展開するものと期待されるところである。
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