研究課題/領域番号 |
60106002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原田 宏 筑波大学, 生, 教授 (90015991)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
1985年度: 17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
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キーワード | ジェミニウィルス / ホップスタントウイロイド / 葉緑体DNA / Ti・Riプラスミド / CaM【V】 / スフェロプラスト / 電気パルス法 / 形質転換体 / 導入遺伝子発現 / 導入遺伝子後代伝達 |
研究概要 |
植物細胞への新しい遺伝子導入ベクターの候補として、ジェミニウィルスの一種bean golden mosaic virus (BGMV)、ホップスタントウィロイド (HSV)、カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)、ゼニゴケ葉緑体DNA (MpctDNA)が選ばれ、外来DNAの挿入可能位置や感染性への影響が調べられた。 BGMVでは複製型である二本鎖DNAのクローンが作成され、感染には二つのcomponentAとBが必要であることが示された。 HSVでは感染に必要なregionA領域の存在が示されたが、regionA以外の領域でも外来DNAが挿入されると感染性を失った。 また、持定部域での塩基置換は病徴は示さないものの増殖することが確認され、弱毒ウィルスとして利用可能であることが示された。 CaMVでは感染性を失うことなくORF-【II】と-【VI】領域中に外来DNAを導入可能であることが示された。一方、MpctDNAからは強い複製能を有するDNA断片や強力なプロモーターが単離され、薬剤耐性遺伝子とともに組み込んだ新しいプラスミドが作成された。 さらに、植物細胞中で機能するプロモーターやターミネーターをもつ発現カセット中にタバコモザイクウィルスの外被蛋白質遺伝子を組み込んだキメラ遺伝子が作成され、Tiプラスミドを介して植物細胞中に導入することでこの外来遺伝子の発現が確認された。 また、効率的な遺伝子導入法として電気パルス法が開発され最適条件の検討がなされた。 一方Tiプラスミドを保持するAgrobacteriumのスフェロプラストを用い、本来の宿主でないイネ科植物プロトプラストへの外来遺伝子の導入が試みられ、T-DNA上の遺伝子が導入されて発現することが確認された。 また、TiプラスミドやRiプラスミドを保持するAgrobacteriumをキャベツ、ハクサイ等多くの農作物に接種することで形質転換細胞が得られ、個体再分化を誘起することができた。 このような再分化個体では長期間培養後も導入された遺伝子が発現し、さらに、種子繁殖を通して後代へと伝達され発現することも確認された。
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