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社会構造の行動的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 60107003
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

日高 敏隆  京都大学, 理, 教授 (70014892)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
1985年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
キーワード社会構造 / 適応戦略 / 養育行動 / 斗争 / フィットネス / エソグラム / コミュニケーション / 人間のエソロジー
研究概要

この班の目的は、動物の社会構造とそれに結びつく適応戦略を、その基盤たる行動の面から、必要に応じて実験的方法も積極的に導入しつつ、一歩も二歩も突っこんで理解しようということにあった。3年間の研究によりこの目的は十分に達せられたと思う。研究はなお進展中であるが、一応まとまった結論に達したものをあげれば次のとおりである。1)タヌキの雄が出産に立会う時点から子の養育にあたるという、哺乳類中異例とも思える養育行動が明らかにされ、その原因についての興味ぶかい考察がなされた。2)ネコではしばしば共同哺育がみられ、社会生物学的にも興味がもたれていたが、これは本来、母親どうしが知合い関係にあることの産物であって、この分野ですぐ云々される血縁の有無の問題ではないことが示された。3)雄のマウスは尿マーキングをおこない、また他個体とよく斗争するが、これはふつう想像されるように他個体を排除するための行動ではなく、むしろ他個体と出合い斗争するためのものであることが示された。斗争のメリットは、斗争によって包皮腺が発達し、その結果雌に好まれてフィットネスが高まることにある。4)ニホントカゲの社会行動の解析過程で、エソグラム作成にあたっての一般的問題が指摘された。これは今後この分野の研究にとって重要な貢献である。5)アユの攻撃行動の解析によって、この魚の可変的社会構造の成り立ちが理解された。6)琵琶湖産ハゼの一種イサザの繁殖戦略の全体像が明らかになった。7)ホタル類のコミュニケーション・システムが全面的に解明され、世界的レベルでの理解が可能になった。8)そしてこのような成果の上に立って、人間行動のエソロジー的研究が試みられ、会話中の自己接触、笑い、楽しさ、驚きなどの解析を通じて、従来のアプローチとはまったく異なる観点から、言語活動も含めた人間行動をより深く理解してゆくための方法論がほぼでき上った。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Bull.Japan Soc.Sci.Fish.50-11. (1984)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] J.Ethol.2-1. (1984)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] J.Ethol. 2-2. (1984)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Sci.Rept.Yokosuka City Mus.31-1. (1983)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] 思想. 1985-2. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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