研究課題/領域番号 |
60109007
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
野村 好弘 東京都立大学, 法, 教授 (00083311)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1985年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
|
キーワード | 損害賠償 / 保険 / 社会保障 / 生活補償 / 自動車共済 / 交通災害被害者実態調査 |
研究概要 |
損害賠償、保険および社会保障の領域から被害者救済の仕組みについて改革案を提示することを目的として、検討を進めた。 損害賠償の改革では、第一に、重度後遺障害被害者の損害額(看護料、住宅改造費など)及び軽度後遺障害被害者(12級,14級)の損害額の各改革をめざし、判例の現状を調べ、問題点を抽出した。第二に、賠償金支払方法の改革(定期金方式の導入)をめざし、定期金導入の利点と欠点とを学説・判例の検討を通して明らかにした。そこでは、生活補償の概念を明確にすること及び一時払いの幣害の程度を再検討することが問題点として指摘された。第三に、過失相殺の改革(好意同乗減額、運行供用者減額の問題を含む)をめざし、過失相殺の理念、実情及び問題点について検討した。過失相殺の基本的部分では、損害総額について過失相殺すべきか、自賠責を超える部分についてのみ過失相殺をすべきかが問題として残された。後者の見解は、自賠責部分を災害補償として捉えようとするものである。 保険の改革では、望ましい自賠責保険あるいは任意保険のあり方を提示するため、第一に、自賠責保険の答申と今後の方向について検討し、保険の構造的問題点について言及した。保険単価の検討では、不当請求をチェックし、適正部分についてのみ支払うべきこと、初期診療では高くし、一定期間経過後は健康保険なみに戻すことなどが検討された。第二に、関連して全国共済農業共同組合連合会、自動車共済連等からも、自動車共済の現状と問題点についてヒアリングを行った。 社会保障の改革では、交通災害の場面における社会保障の役割について、基本的な考え方の方向を確認した。 以上の検討に加え、交通災害の抑止機能との連絡を求めるため、保険のメリットテメリットについて検討した。 最後に、交通災害被害者実態調査を引き続き実施した。
|