研究課題/領域番号 |
60111001
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
和田 八三久 山形大学, 工, 教授 (20010621)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
1985年度: 17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
|
キーワード | 圧電薄膜 / 焦電薄膜 / 強誘電性 / 相転移 / ポリフッ化ビニリデン / フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体 / 超音波 / 空間電荷 |
研究概要 |
本年度の研究も昨年度に引きつづき次の三つの主題について行なわれた。1)圧電薄膜・焦電薄膜の構造と基礎的物性の研究。2)圧電性・焦電性の機構の解明と性能の向上。3)圧電薄膜・焦電薄膜の性能の向上。それぞれの分担研究者の研究実績は次のようである。 和田はフッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体(以下単に共重合体という)において空間電荷が強誘電的分極反転時間に及ぼす効果、また圧電性に及ぼす効果を研究し、空間電荷の移動の速さを温度の関数として求めた。また共重合体の強誘電相の高次非線型誘電率の温度変化を測定した。小田島は共重合体の物性の共重合比依存性を研究し、また共重合体に対するγ線照射効果を測定した。古川は極めて薄い共重合体フイルムを製作し、非常に高い電場までスイッチング時間の電場及び温度依存性を測定した。その結果によると、スイッチング時間は相転移点に近づくと共に短くなり、相転移点では誘電緩和時間に近づくことを見出した。 浅井はX線の異常分散を利用して、ポリフッ化ビニリデン及び共重合体について、その結晶に分極反転が起こっていることを直接に観測した。小林は共重合体の相転移点前後の遠赤外吸収スペクトルと超音波音速の温度変化を測定し、相転移にどのようなフォノンモードが支配的であるかを研究した。竹村は高圧技術を用いて共重合体の構造と物性を研究し、さらに圧電薄膜を利用した広帯域超音波送受波子を用いて音波の音速・吸収の多周波同時測定装置を試作した。 これらの研究はいずれもこの特定研究の目標に大きな寄与をするもので、また応用開発の研究の重要な基礎となる。 研究班としては昭和60年7月東京大学において、また61年1月理化学研究所において研究会を開催し、研究班に属していない多数の研究者の参加もあって充実した討論を行った。
|