研究概要 |
本研究班の目的は、物質・材料のミクロな部分の音響的・弾性的性質の定量的計測法を確立した上で、映像工学的手法により物質・材料のマクロな性質までも評価する方法を開拓することである。 今年度の各分担研究者の研究成果は以下に記すとおりである。 (1)超音波映像処理技術に関する研究として、複数の超音波断層像からの立体像再構成法を開発し、人体臓器に関して検討。(東大・尾上) (2)インパルス超音波による物質の弾性的性質の計測と超音波映像に関する基礎研究として、平凹面セラミック振動子を送受兼用で使用の場合の音響材料の相対反射強度計測法を研究した。(秋田大・奥山) (3)生体組織超音波伝搬特性の精密測定とその映像法に関する研究として、昨年につづいて、新たに細いチューブ内に生体細胞を挿入する方式を開発、擬似生体物質について詳細に検討した。(東工大・森泉) (4)超音波顕微鏡による固体材料の研究として、BNN,NDPP, GMO,BaTi【O_3】等の材料について検討した。(筑波大・鈴木) (5)AE検出用広帯域センサーの研究として、前年度の成果を踏まえて15MHz帯用広帯域センサを試作し実験を行った。(山形大・富川) (6)非金属材料のAE特性とその評価に関する研究として、粒子複合高分子の破壊じん性とAE特性について検討した。(山形大・成沢) (7)物質の摩耗および破壊の超音波顕微鏡的研究調査として、亀裂深さの新しい測定法について検討した。(機械研・山中) (8)新しい研究分野として、超音波マイクロスペクトロスコピーについて提案し、具体的な測定装置の開発を行った。(東北大・中鉢) 「超音波顕微鏡と非破壊検査」のサブセンターに、新たに直線集束ビーム超音波顕微鏡測定装置(本多電子製)を設備し、昨年度に設備した超音波顕微鏡と併せて、これらの装置の共同利用のための整備を行った。(東北大・中鉢、櫛引、三野宮)
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